07年1月29日、国際刑事裁判所(ICC)の予審部は、コンゴのトマ・ルバンガ容疑者に対する起訴内容について確認する決定を行いまし た。同容疑者は、06年8月、ICCの検察局に、子ども兵士の徴募などの戦争犯罪により起訴されていました。
ICCの予審部は、6名以上の裁判官から構成され、検察局の捜査開始の承認などを行い、起訴された人がその犯罪を行ったと信じる実質的な理由を証明する十 分な証拠があると確認します(国際刑事裁判所規程第61条7項)。予審部の確認を経て、初めて公判が開始されます。今回の決定は3名の裁判官による予審部 第1部で行われました。
予審部は、ルバンガ容疑者が、コンゴ愛国者解放戦線(FPLC)が設立された02年9月、FPLCの他の指導者とともに子どもを含む若者を任意、強制を含 めて徴募し、軍事訓練を施し、戦闘に参加させる計画を立て、さらに同容疑者がその計画の実行において重要な役割を果たした十分な証拠があると判断しまし た。
ルバンガ容疑者は06年3月、コンゴで逮捕され、身柄はフランス空軍機によりハーグに移送されていました。
「子どもと武力紛争に関する国連事務総長特別代表」のラディカ・クマラスワミさんは1月29日、ICCの判断を、子ども 兵士の慣行を撲滅する国際的な取り組みのなかで画期的な出来事として歓迎する声明を発表しました。
参照:
・ICC1が津29日付プレスリリース "Pre-Trial Chamber I commits Thomas Lubanga Dyilo for trial" (英語)
・国連07年1月29日付プレスリリース "UN Official hails international court's decision to try Congolese militia leader" (英語)
・"ICC Trial for DR Congo's warlord" BBC (07年1月29日)(英語)
参考:
・首相が国際刑事裁判所規定加入につ いて表明 ヒューライツ大阪ニュースインブリーフ(06年11月)
・国際刑事裁判所が初めて容疑者を起 訴 ヒューライツ大阪ニュースインブリーフ(06年9月)
(2007年02月02日 掲載)