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韓国・麗水(ヨス)外国人収容施設の火災惨事に対し国家人権委員会が職権調査

  07年2月11日、韓国南部の麗水(ヨス)市にある外国人収容施設(直訳は「出入国管理事務所保護室」)で火災が発生し、未登録等で収容されていた外国人 の中で10名が死亡、17名が負傷するという惨事となりました。死傷者には中国籍の人が多数含まれていました。ヨス警察署は、火災の原因は収容者による放 火であるという結論を出しましたが、証拠は提示されていません。
  韓国国家人権委員会は、この惨事について職権調査を行い、その結果を4月9日に公表しました。その報告では、 国家人権委員会は[韓 国語]、これまでも現行の出入国管理法における「保護」の法的性格や公務員の通報義務制度等について改正するよう勧告をしており、そ れが反映されていないことに遺憾の意が表明されました。
  具体的には、出入国管理法改正の勧告をしており、収容所施設の「保護」措置を最小限の範囲にとどめること、および賃金不払いなどで救済を求める外国人に対 し、未登録であっても「救済優先、通報はその後」という原則に変えることなどを求めています。
  一方、惨事の発生以来、「外国人移住労働者対策協議会」などの市民団体は、今回の惨事の根本的な原因は、政府の外国人労働者政策のあり方に起因するとし て、死傷した被害者への国家賠償、再発防止とともに、未登録労働者の合法化を要求してきました。3月末には約60名の未登録労働者が韓国キリスト教会館で 10日間の座り込みをするなどの行動を起こしていました。
  法務部(省)は、遺族には1人あたり1億ウォン~1億2千万ウォン(約1,250万円~1,500万円)、負傷者には1人あたり、1,000万ウォン(約 125万円)の賠償金を支払うことを決定しました。4月11日には、賠償金を受け取った負傷者たちが急遽出国しました。空港では、故国から迎えにきた家族 とともに、座り込んで、再入国と治療の補償の確認を法務部に求めるという一幕がありました。

出所:
朝鮮日報の記事(2007年3月6日) (韓国語)
ハンギョレの記事(2007年4月11日) (韓国語)
韓国国家人権委員会 (韓国語)

参考:外国人移住労働者対策協議会 (韓国語)

(2007年04月09日 掲載)