国際労働機関(ILO)は07年6月の理事会で、ILO「結社の自由委員会」がこのほど審議した30の事案に関して承認しました。なかでも、その深刻さと緊急性において、カンボジアとコロンビア、フィリピンのケースに対して特別な注意を喚起しまし た。
カンボジアについては、自由労働者組合(FTUWKC)のチャエア・ビチェア議長の殺害をはじめ3人の同労組の役員に対する弾圧に懸念を表明しました。 「結社の自由委員会」はカンボジア政府に対して、ビチェア議長の殺害の調査を再開するなどを強く促がすとともに、ILOの専門家による調査の受け入れを強 く要請しました。
コロンビアに関しては、コルドバ大学において副学長や準軍事組織による労組に対する圧力や差別の実態に懸念が表明されました。
また、「結社の自由委員会」は、労組やインフォーマル・セクターの労働者組織のリーダー、メンバー、活動家、支援者などに対する殺害、深刻な脅迫、継続し たいやがらせ、脅し、およびその他の形態による暴力の申し立てについて中間的な見解に達しました。委員会は、前回に同様の申し立てが行われて10年以上が 経過しているにもかかわらず、殺害や拉致、失踪、その他の深刻な人権侵害を解決するためにフィリピン政府が十分に対応してこなかったことを憂慮していま す。
出所:ILO press release "Ambassador of Sri Lanka elected new Chairman of ILO Governing Body: Committee on Freedom of Association cites Cambodia, Colombia and the Philippines" (15 June, 2007) (英語)
(2007年06月18日 掲載)