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ユネスコの「反人種主義・差別撤廃アジア・太平洋地域都市連合」 が「包括的な社会をめざす差別撤廃のためのアジア・太平洋都市連合」 に改称

  ユネスコがアジア・太平洋地域の自治体に呼びかけて06年8月に設立した「反人種主義・差別撤廃アジア・太平洋地域都市連合」の加盟都市の増加と活性化に 向けた第1回暫定運営委員会の会合が、07年6月5日~6日にカンボジアのプノンペンで開かれました。意思表明書に署名をして加盟をした自治体や自治体連 合・連盟に加え、取り組みの趣旨に理解を示す自治体やNGO、専門家などが参加しました。
  設立後約10ヵ月を経た現在、この都市連合に加盟しているのは、プノンペン、バンコク、スバ(フィジー)、マカティ(フィリピン)、クルネガラとマータレ (スリランカ)、インチョン(韓国)の各市のほか、都市自治体連合‐アジア太平洋支部、全インド地方自治体協会、タイ全国自治体連盟、フィリピン自治体連 盟の11都市・自治体連合です。会合では、アジア・太平洋地域の国や自治体関係者のあいだでしばしば「人種主義」という概念じたいが認識されていないこと や、自国や自分の地域において「人種主義」は存在しないと解釈されたりすることから、都市連合が拡がりにくいという現実が確認されました。また、都市連合 の現名称が否定的なニュアンスに響くことから、肯定的な名称に変更すべきではないかという意見が多く出ました。
  議論の末、「反人種主義・差別撤廃アジア・太平洋地域都市連合」として発足した都市連合は、「包括的な社会をめざす差別撤廃のためのアジア・太平洋都市連 合」へと改称することでコンセンサスに達しました。ちなみにヨーロッパの都市連合は「反人種主義ヨーロッパ都市連合」として04年に発足し、すでに67都 市が加盟していますが、ユネスコによれば「人種主義」という言葉に対する抵抗感は聞いたことがないといいます。「アジア・太平洋都市連合」は今後、さまざ まな機会を利用してより多くの自治体に対して、加盟を求めるための取り組みを行うことを確認しました。とりわけ、都市自治体連合の第2回世界大会が07年 10月28日から31日まで韓国の済州島で開催されることから、同アジア太平洋支部は、ユネスコおよび済州特別自治道と協力してその機会に「アジア・太平 洋都市連合」の周知を図るための企画を練ることとなりました。
  今回の会合には日本からは、06年の発足式に続き、堺市人権局から2名の担当者と、ヒューライツ大阪から1名が参加しました。堺市は「アジア・太平洋都市 連合」には未加盟であるものの、会合では同市の女性や外国人をめぐる課題をはじめとした人権施策について報告を行いました。日本の自治体が加盟することへ の期待も徐々に高まっています。

注:
 「反人種主義・差別撤廃アジア・太平洋地域都市連合」Coalition of Cities against Racism and Discrimination in Asia and the Pacific
 「包括的な社会をめざす差別撤廃のためのアジア・太平洋都市連合」Towards an Inclusive Society : Coalition of Cities against Discrimination in Asia and the Pacific

参照:
ユネスコ「反人 種主義・差別撤廃アジア・太平洋地域都市連合」が発足~バンコクでの設立会議に参加して (藤本伸樹、『国際人権ひろば』69号)
ユネスコ「反人種主義・差別撤廃ア ジア・太平洋地域都市連合」が設立される ヒューライツ大阪・ニュースインブリーフ (2006年8月)

(2007年06月09日 掲載)