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2013年の人身取引の被害者は日本人10人を含む女性17人‐警察庁

警察庁は2014年2月13日付で、「平成25年中における人身取引事犯の検挙状況等について」を発表しました。同報告は警察庁が平成13年(2001年)以来、毎年発表している集計で、平成25年(2013年)の検挙件数は25件(12年44件)で、37人(同54人)が検挙されました。検挙された被疑者のうち30人が日本人でした。
一方、保護された被害者は、日本人10人、タイ人6人、フィリピン人1人の計17人で、すべて女性でした。近年、10人前後の日本人女性が被害者として保護されている一方、2013年の外国籍の被害者が7人というのは、統計を発表しはじめて以降最少です。被害の実態は、売春等の性的被害が15人、ホステスとしての稼働が2人でした。
外国籍被害者の減少は、警察庁や入国管理局による取締りの強化の成果なのか、あるいは人身取引じたいが「巧妙化」「潜在化」し加害者の摘発や被害者を保護が困難になったためなのか、それとも被害者として認定する関係当局の基準が従来以上に狭まった結果なのか、原因は明らかにされていません。
また、人身取引対策に関する関係省庁連絡会議が策定した「人身取引対策行動計画2009」では、「男性被害者等の保護施策に関する検討」が明記されていますが、保護されるのはほとんどが女性です。
さらに、日本国内のNGOおよび弁護士グループをはじめ、米国務省による「人身売買報告書」は、最長3年の年限で日本に受け入れている外国人技能実習生に対する数々の人権侵害は人身取引の一形態であると主張したうえで抜本的な改善策を求め続けていますが、警察庁は人身取引の疑いで実習生の受け入れ機関や企業を摘発したり、被害者を保護したことはありません。
 
https://www.npa.go.jp/safetylife/hoan/h25_zinshin.pdf(警察庁)
平成25年中における人身取引事犯の検挙状況等について
 
http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/jinsin/kettei/2009keikaku.pdf (首相官邸)
人身取引対策行動計画2009
 
http://japanese.japan.usembassy.gov/j/p/tpj-20130719b.html(米国大使館)
2013年人身売買報告書(抜粋・日本に関する報告)

(2014年02月17日 掲載)