国連総会は07年7月24日、「今後の国連平和維持活動における性的搾取および虐待を撤廃する戦略の包括的見直し」に関する決議を採択しまし た。
国連では、2003年、性的搾取・虐待からの保護のための特別措置に関する事務総長会報(ST/SGB/2003/13)を発行し、平和維持活動局に行 為・規律チームを設置し、各地の平和維持活動に職員を派遣、また国連内部監査部事務所の設置など、取り組みを進めています。
今回の決議では、国連と平和維持活動に携わる人員の提供国との間でかわされる覚書に含まれる行為基準に対する、平和維持活動特別委員会の修正案を採択して います。
その基準では、ある国からの派遣団の人員の行為および規律についてはその国の指揮官が責任を負うとし、そのために必要な権限付与、訓練などをその国が行う としています。また、派遣団の人員による不行跡、違法行為の疑いがある場合、その派遣国が第一義的に捜査の責任を負うとしています。その派遣団の人員が重 大な不行跡を行った容疑がある場合、遅滞なく国連に通知し、国内の担当当局に捜査を付託することとし、もし国連に通知しない場合、あるいは通知して10日 以内に捜査を開始しなければ、その国に捜査の意思または能力がないと見なされ、国連が適宜、捜査を開始してもよいとしています。
国連に提出された国連システム内の性的搾取・虐待に関する2006年の報告では、371件の訴えが出され、そのうち357件が平和維持活動の人員によると されるものでした。
出所:
・国連総会7月24日付プレスリリース GA/10605 (英語)
・Report of the Special Political and Decolonization Committee (Fourth Committee) "Comprehensive Review of the whole question of peacekeeping operations in all their aspects" , A/61/409/Add.2
・"Report of the Special Committee on Peacekeeping Operations and its Working Group on the 2007 resumed session" A/61/19 (PartIII)
・Report of the Secretary General "Special measures for protection from sexual exploitation and sexual abuse", A/61/957
参考:国連平和維持活動における性的 搾取・虐待に対する取り組み ヒューライツ大阪・ニュースインブリーフ(2005年6月)
(2007年08月04日 掲載)