2007年7月に一部改正された「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」(配偶者暴力防止法)が 2008年1月11日に施行されたことに伴い、同法に基づく新たな「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策に関する基本的な方針」が 同日発表されました。
全体として従来の基本方針よりも充実しましたが、在日外国人に関しては、「外国人等の人権の尊重」という小項目が新しく設けられ、「外国人や障害者である 被害者等の人権の尊重が必ずしも十分徹底されていないとの指摘があることを踏まえ、法においては、職務関係者は、被害者の国籍、障害の有無等を問わずその 人権を尊重しなければならないことが確認されたところである。法が対象としている被害者には、日本在住の外国人(在留資格の有無を問わない)や障害のある 者等も当然含まれていることに十分留意しつつ、それらの被害者の立場に配慮して職務を行うことが必要である」と述べています。
また、具体的には、相談窓口の周知に関して、「外国人である被害者に対しては、外国語による相談窓口の広報を行うことも考えられる」とするとともに、外国 人登録原票の取扱いについて、同原票の事務を行う市町村の部局に対し、「外国人登録原票が原則として非公開であり、その取扱いには十分な注意が求められる ことについて、徹底することが必要である」と釘をさしています。
今回の基本方針の策定を前に、内閣府は2007年8月から9月にかけて意見募集をしていましたが、ドメスティック・バイオレンスの外国人女性被害者の支援 などをしているNGOの意見が一部反映されたものとみられます。
出所:「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護のための施策に関する基本的な方針」 内閣府男女共同参画局
参考:
・配偶者暴力防止法に基づく基本方針 改定に関して意見募集 ヒューライツ大阪・ニュースインブリーフ(2007年8月)
・改正DV防止法が成立 ヒューライツ大阪・ニュースインブリーフ(2007年7月)
(2008年01月05日 掲載)