2月25日、第52回女性の地位委員会の開催にあたり、潘国連事務総長は、女性に対する暴力撤廃キャンペーンの開始を表明しました。女性に対する暴力は、女性であることを根拠に行われ る、あるいは被害者がほとんど女性である暴力で、DV、職場におけるセクシュアル・ハラスメントや紛争時の女性に対する性的暴力などを含みます。国連総会 は1999年、11月25日を「女性に対する暴力撤廃の国際デー」とすることを決議し(A/RES/54/134)、02年、04-06年には、女性に対 する暴力に関する事務総長報告が総会の要請により提出されています。07年の62回総会には、女性に対する暴力撤廃の取組みに関する事務総長報告 (A/62/201)が提出されていました。その中の国連の取り組みとして、ミレニアム開発目標の目標達成期日である2015年まで、国連システム全体にわたるキャンペーンがとりあげられています。
女性の地位委員会の今会期のメイン・テーマはジェンダー平等及び女性のエンパワーメントのための資金調達ですが、そのほか環境変化におけるジェンダーの 視点、紛争予防などにおける女性の参加、女性に対する暴力に関する指標などもテーマにあがっています。
また、07年11月より、国連女性開発基金(ユニフェム)は、「女性に対する暴力 にノーを」というオンライン・キャンペーンを開始しています。オンラインで世界から署名を集め、政策決定者に女性に対する暴力の根絶をグローバル な課題として取りあげるよう強いメッセージで各国政府に働きかけようというのが狙いです。また、100,000人目の署名で一人1ドルの10万ドルを国連 の活動を支援する国連財団が寄付することを約束しています。(2008年2月25日)
出所:
・国連2月25日付プレスリリース WOM/1664(英語)
http://www.un.org/News/Press/docs//2008/wom1664.doc.htm
・女性に関連する国連総会文書(UNDAW)(英語)
http://www.un.org/womenwatch/daw/documents/ga.htm
・国連女性に対する暴力撤廃キャンペーン(英語)
http://www.un.org/women/endviolence/index.shtml
・Say No to Violence against Women (UNIFEM)
http://www.unifem.org/campaigns/vaw/
・「女性に対する暴力にノーを」キャンペーン(ユニフェム日本国内委員会)
http://www.unifemnihon.jp/goodwill2.htm
参考:
『女性に対する暴力』に関する国連事務総長報告
ヒューライツ大阪・ニュースインブリーフ(2006年9月)
https://www.hurights.or.jp/news/0610/b06.html
(2008年03月03日 掲載)