警察庁は4月、今年度中に取調べの部分的録音・録画の試行を開始することを公表しました。これまで、検察庁が取調べの部分的録音・録画を 4月から全国で実施することを公表しています。一方、警察はこれまで、録音・録画については否定的でしたが、裁判員制度導入に向けて、自白の任意性を効果 的に立証する方策を検討するにあたり、警視庁や大規模府県警察で部分的な録音・録画の試行を実施するとしています。
警察での取調べについては、自由権規約委員会、拷問禁止委員会などの最終見解は、自白が強要されることがないよう、すべての取調べについて録音・録画を勧告し ています。しかし、今回の録音・録画は裁判員制度における自白の任意性立証の手段のひとつとして検討されており、対象は裁判員裁判の対象となり、自白があ り、公判においてその任意性が争われる可能性のある事件とされています。また、先行して実施されている検察の部分的録音・録画のように、供述書を作成する にあたって、内容を被疑者に読んで聞かせ、署名押印する場面で、内容に間違いがないかどうかを確認する状況が中心となります。
出所:
・警察における取調べの一部録音・録画の試行について
・自由権規約委員会の最終見解(外務省)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kiyaku/2c2_001.html
・拷問禁止委員会の最終見解(外務省)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/gomon/index.html
参考:
「検察が取調べの一部録音・録画を全国で本格試行」
ヒューライツ大阪・ニュースインブリーフ(2008年3月)
https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section3/2008/03/post-30.html
「警察の取調べに関する適正化指針」
ヒューライツ大阪・ニュースインブリーフ(2008年2月)
https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section3/2008/02/post-24.html
(2008年04月07日 掲載)