6月17日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は2007年の難民の動向に関する報告を公表しました。報告によると、5年ぶりに難民が増加した06年に続き、07年もUNHCRの対象となる難民が06年の990万人から1140万人になりました。また紛争などにより、家を追われた国内避難民も2600万人となりました。
難民のうち、アフガニスタン出身が最も多く、全体の27%の310万人を占めています。また、そのうちの96%は隣国のパキスタンとイランにおり、両国はそれぞれ受け入れ国の1位、3位でした。イラク出身が2番目に多く、アフガニスタン出身の難民とあわせると、UNHCRの支援対象の難民の半分近くを占めています。コロンビア、スーダン、ソマリア、ブルンジ、コンゴが続いています。受け入れ国では、パキスタン、イランのほか、イラク出身の難民を多く受け入れているシリアが2番目、ドイツ、ヨルダンが4、5番目となっています。
報告は、自発的に帰還した難民の数が約73万人で、06年とほぼ同じであり、ここ15年では2、3番目に低い人数であるとしています。一方、第三国定住した人の数は難民全体の1%にもなりませんが、07年、前年より2万人多い、4万9千人が再定住国に移住しました。そのうち最も多いのが、ミャンマー出身の難民で、ブルンジ、ソマリア、イラクと続いています。(2008年6月18日)
出所:
・ 「世界の難民、国内避難民数が2年連続増加」UNHCRJapan(6月17日)
http://www.unhcr.or.jp/news/press/pr080617.html
・ “2007 Global Trends: Refugees, Asylum-seekers, Returnees, Internally Displaced and Stateless Persons” UNHCR (June 2008)(英語)
http://www.unhcr.org/statistics/STATISTICS/4852366f2.pdf
参考:
・「UNHCRが2006年の難民の動向について報告-難民の数が5年ぶりに増加」ヒューライツ大阪・ニュースインブリーフ(2007年6月)
https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section2/2007/06/unhcr2006-5.html
(2008年06月11日 掲載)