シンガポール国際関係研究機関(Singapore Institute of International Affairs :SIIA)の発表によると、アセアンの人権メカニズムに関する第7回ワークショップが、2008年6月12-13日、シンガポールで開催されました(シンガポール外務省、SIIA、アセアン人権メカニズムのワーキンググループ共催)。アセアン加盟国や国内人権機関、NGOなどの代表60人以上があつまり、アセアン人権メカニズムの権限や設立について議論しました。アセアン人権メカニズムは、2007年11月に採択された「アセアン憲章」14条によって設置が予定されています。
ワークショップの一般的勧告では、アセアン各国が既存の人権規範の強化に努めることや、国際的・地域的な人権基準に基づく活動の重要性、国内人権機関の設置促進、移住労働者の権利宣言に基づく移住労働者の権利保護にあたる法的拘束力のある文章の設置について述べています。
特別勧告では、アセアン人権メカニズムが、申立てに基づいて調査を行いアセアン加盟国政府にアドヴァイスをする権限、公教育における人権教育、アセアン人権メカニズム、NGO、国内人権機関などのより緊密な交流、移住労働者の定義の明確化の必要などについて述べています。
またワークショップでは、女性と子どもの権利の促進と保護にかかわる委員会の設置や移住労働者の権利の保護と伸長に関する条約の策定についても議論しています。
このワークショップの勧告は、7月中旬に開催されるアセアン人権メカニズムの権限などを起草するアセアンのハイレベルパネルに提出されます。(2008年6月25日)
出所:
・ “An ASEAN human rights body in the making at the 7th Workshop on the ASEAN Regional Mechanism on Human Rights”, SIIA(英語)
http://www.siiaonline.org/?q=node/2033
・「ASEAN10ヵ国首脳が人権機関の創設を盛り込んだ憲章に署名」ヒューライツ大阪・ニュースインブリーフ(2007年11月)
https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section3/2007/11/asean10.html
・「アセアンが「移住労働者の権利の保護と伸長に関する宣言」を採択」ヒューライツ大阪・ニュースインブリーフ(2007年1月)
https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section2/2007/01/post-169.html
(2008年06月13日 掲載)