今年4月の制憲議会選挙で王政を正式に廃止し、連邦共和制へ移行したネパールで7月23日、最初の大統領として、ネパーリー・コングレス(コングレス)幹事長のラム・バラン・ヤダヴ(Ram Baran Yadav)氏が就任しました。
7月19日の大統領選の第1回投票では過半数を獲得した候補がなく、得票数上位のコングレスのラム・バラン・ヤダヴ候補(282票)と、マオイストのラ ムラジャ・プラサド・シン候補(270票)の両者間で、21日に再投票が行われました。大統領は軍の最高司令官としての立場や非常事態の発令権などをもつ ものの、儀礼的な存在とされ政府の実権は首相がもちます。
また大統領選に敗れたマオイストは、新内閣には参加せず野党になることを決定しました。
マオイストは、制憲議会選挙で第1党となったものの単独過半数には至らず、第2党コングレス、第3党の統一共産党などとの連立に動いていましたが、大統 領、副大統領、首相などの主要なポストの人選について合意に至りませんでした。
今回の正・副大統領選挙では、反マオイストの形で、第2党のコングレス、第3党の統一共産党、第4党のマデシ・ジャナアディカール・フォーラムが連合 し、大統領をネパール会議派から、副大統領をマデシ・ジャナアディカール・フォーラムから、制憲議会議長を統一共産党から出すことに合意していました。
副大統領には、マデシ・ジャナアディカール・フォーラムのパーマナンド・ジャー(Parmananda Jha)候補が決定し、制憲議会議長には他に候補者がなく24日に統一共産党のスバシュ・チャンドラ・ニュワン(Subash Chandra Nemwang)氏が選ばれました。(2008年7月24日)
出所:
・“Nepal's first president sworn-in” Times of India(23 Jul 2008) (英語)
http://timesofindia.indiatimes.com/World/Nepals_first_president_sworn-in/articleshow/3270353.cms
・ 「ネパール:新政府、毛派が組閣拒否」毎日jp(2008年7月23日)
http://mainichi.jp/select/world/news/20080723ddm007030039000c.html
・“Nembang unanimous choice for Chairperson” Himalayan News Service,(July 23, 2008)
http://www.thehimalayantimes.com/fullstory.asp?filename=aFanata0sa3qzpca8Va7a9a.axamal&folder=aHaoamW&Name=Home&dtSiteDate=20080724
参考:
「ネパール-制憲議会選挙の開票作業終了」ヒューライツ大阪・ニュースインブリーフ(2008年4月)
https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section3/2008/04/post-34.html
(2008年07月04日 掲載)