3月24日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR) は、2008年の先進諸国など51カ国への庇護申請者数が、5年ぶりに増加した昨年に続いて増加していると公表しました。報告による と、2008年の申請者の数は約383,000人で、前年より12%増でした。増加率は欧州で13%、北米では9%でした。米国が49,000人と、前年 より3%の減少にも関わらず、申請者の数が最も多く、カナダが前年より30%増の36,900人でそれに続きました。続くフランス、イタリア、英国をあわ せた5カ国で、庇護申請者数全体の半数の申請先となっています。一方、2007年には2番目の受け入れ先であったスウェーデンは33%減少したほか、ギリ シャなども減少しています。
庇護申請者の出身国では、イラクが3年連続で最も多く、2番目のソマリアの2倍近くの人数で、ロシア、アフガニスタンと続いています。 UNHCRは、2番目のソマリアのほか、85%増のアフガニスタン、82%増のジンバブエなどのように、紛争があった国からの庇護申請者の増加が顕著で あったことを指摘しています。
一方、法務省は1月30日、2008年の難民認定者数など について公表していましたが、それによると、同年日本への庇護申請者数は1,599人であり、前年からほぼ2倍に増えました。また、国籍別では、 ミャンマーが最も多く、979人で、トルコ、スリランカと続いています。(3月27日)
出所:
「Conflicts in Afghanistan and Somalia fuel increase in asylum seekers」3月24日付UNHCRプ レスリリース
Asylum Levels and Trends in Industrialized Countries 2008
「平 成20年における難民認定者数等について」法務省
参考:
「07年の庇護申請者に関するUNHCR 報告、5年ぶりの増加」ヒューライツ大阪ニュースインブリーフ(08年3月)
(2009年03月02日 掲載)