6月16日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は難民、庇護申請者、国内避難民、無国籍者に関する2008年報告を公表しました。難民の数は 2007年には2年続きで増加し、1千万を越え、1140万人でした。2008年末には1050万人と若干減少しましたが、依然として1千万を越えていま す。また、そのうち80%は、発展途上国に、そのうちの18%は後発開発途上国49カ国に滞在しています。昨年と同様、アフガニスタン出身の難民が最も多 く、その96%が滞在しているパキスタンが最大の難民受け入れ国であり、アフガニスタンのもう一つの隣国であるイランも3番目でした。
報告は、難民の数の減少は、自発的帰還などによるものとしますが、2008年に自発的に帰国したのは、60.4万人と07年よりも17%低く、 低下の傾向が続いていると述べています。最も多いのはアフガニスタンに帰還した難民ですが、治安の悪化や土地や雇用などの不足などにより、国内の出身地に 戻ることが困難になっていることもあげています。
一方、UNHCRの支援対象となった国内避難民はこれまでで最も多く、1440万人となりました。国内避難民が最も多かったのは、300万人い るとされるコロンビア、次いで260万人とされるイラクでした。
また、公表にあたり、グテーレス難民高等弁務官は、報告にまだ含まれていない2009年には既にパキスタン、スリランカやソマリアで避難を強い られる人びとが現れていると述べました。
出所:
「家を追われている人びとは世界で 4,200万人」6月16日UNHCR-Japanプレスリリース
2008 Global Trends (UNHCR)pdf
参考:
「難民の数が2年連続で増加、1千万人を超 えるとUNHCR報告」ヒューライツ大阪ニュースインブリーフ https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section3/2008/06/21unhcr.html
(2009年06月02日 掲載)