10月23日、アセアン首脳会議に集まった東南アジア諸国の首脳は、アセアン政府間人権委員会の発足に関する「チャアム―フアヒン宣言」を採択し、アジ ア地域として初めての地域人権機関となる、アセアン政府間人権委員会が成立しました。
07年11月にASEAN諸国によって署名された｢アセアン憲章｣は、アセアン人権機関をつくる、という条文が含み、その内容について、外相会 議や市民団体団体を交えた会議などで検討されてきました。
委員会の任務や権限を定めた取り決め文書によると、委員会は、協議を行う組織として、アセアン域内の人権の伸長促進に取り組む、アセアン人権宣 言をつくる、アセアン諸国の人権条約の批准を促進し、それらの条約の実施のための能力開発を行うなどの任務を負いますが、人権侵害に対して、調査や提言な どは行いません。また、委員会の原則として、内政不干渉を掲げています。
委員会は、アセアンに加盟する国で構成され、各国政府はそれぞれ代表を任命します。代表の任期は3年で、アセアンの議長国を務める国の代表が委 員長を務めます。また、委員会の取り決めは5年ごとに見直される規定となっています。（10月26日）
出所：
Cha-am Hua Hin Declaration on the Inauguration of the ASEAN Intergovernmental Commission on Human Rights (ASEAN Summit 2009)
Terms of Reference of an ASEAN Intergovernmental Commission on Human Rights
参考：
「ASEAN10ヵ国首脳が人権機関の創設 を盛り込んだ憲章に署名」ヒューライツ大阪ニュースインブリーフ
（2009年10月02日 掲載）