3月23日、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、09年のEU諸国、北米、太平洋、日本、韓国など先進諸国44カ国における庇護申請の数を377,200件と公表しました。その数は、08年の377,100件と大きく変わらず、過去10年で最も多かった01年の62万件よりも大幅に減っていると報告しています。
報告によると、欧州全体では庇護申請は1%増加していますが、イタリア、トルコ、ギリシャなど南部で33%減少した一方、デンマーク、フィンランドなど北欧では13%増加しています。また、オーストラリア、ニュージーランドでも30%の増加があり、日本では申請の数は08年と09年にかけて倍増しましたが、韓国では前年に引き続いて減少し、両国で13%の減少と報告しています。北米でも5%減少が報告されています。
国別では、米国が4年続いて庇護申請が最も多い国で、全体の13%となっています。フランス、カナダ、英国、ドイツが続いています。庇護申請者の出身国では、アフガニスタンが1位で、前年まで最も多かったイラクは2番目となりました。ソマリア、ロシア、中国と続きます。
日本について、2月26日に法務省が09年の難民認定者数などについて公表していますが、それによると、難民申請者1,388人、難民認定者は30人、人道的な配慮による特別在留が許可された人は501人で、前年よりも増加しています。(3月25日)
(2010年03月03日 掲載)