世界経済フォーラム(WEF)は、10月12日、2010年のジェンダー・ギャップ指標の報告を公表しました。1位のアイスランドから7位のデンマークまでは09年と変わらず、上位を主に北欧諸国が占めました。世界的に見て、健康と教育の分野での格差は縮小していますが、政治と経済の分野の格差の縮小が進んでいないことが指摘されています。
日本は、09年の報告では、75位とされていましたが、後に101位に修正されました。10年には、94位とわずかに上昇しています。報告は、経済の分野で女性の報酬にわずかな増加があったこと、国会議員の数の増加などを理由にあげています。一方、日本と104位の韓国がOECD諸国の中で最も低いことも指摘しています。
アジアでは、フィリピンが9位と09年と変わらず、スリランカが16位でした。他の地域では、フランスが、閣僚の女性の割合の低下など政治の分野での格差の拡大により、18位から46位と大きく後退し、一方、米国が経済や政治の分野での参加の拡大、教育での格差の縮小などにより31位から19位に上がり、この指標が2006年に始まって以来、初めて上位20位に入りました。
ジェンダー・ギャップ指標は、経済、政治、健康、教育の4つの分野で男女間の格差を表したものです。経済の分野では、参加、報酬、昇進などの格差、教育では、初等、中等、高等教育における格差、健康では、出生児の男女比、平均寿命の差、政治の分野では政治的な意思決定の場における男女の格差が取りあげられています。
出所:
The Global Gender Gap Report 2010 (WEF) http://www.weforum.org/en/Communities/Women%20Leaders%20and%20Gender%20Parity/GenderGapNetwork/index.htm
参考:
「ジェンダー・ギャップ指標、日本は改善」ヒューライツ大阪ニュースインブリーフ(09年10月)https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section3/2009/10/post-67.html
(2010年10月14日 掲載)