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フィリピンで、43人の医療従事者が10カ月間の拘禁後、12月に釈放される
フィリピンのアロヨ前政権下の2010年2月、医療関係者である43人(うち女性23人)が医療研修をしていた際に国軍に拘束され、爆発物を違法所持していたとして拘禁され起訴されていた事件で、ベニグノ・アキノ大統領は世界人権デーにあたる12月10日、逮捕手続きの不備を理由に、公訴取り下げを司法省検察局に命じていました。それを受けて、12月17日にそのうちの38人が釈放されました。国軍の別の拘禁施設にいる残りの5人は後日釈放される見込みです。
事件発生当時、大統領選に立候補中だったアキノ大統領は、43人の拘束を「アロヨ政権による人権侵害」と指摘し支持拡大をしたといわれます。左派系団体は大統領選で、43人釈放を前提にアキノ支持に動いたもようで、アキノ政権発足後は、釈放を迫る声明を頻繁に発表していました。
43人が拘束されたのは、マニラ首都圏に隣接するリサール州モロン町内の民家。手投げ弾や爆弾製造訓練を行ったとされ、爆発物を違法に所持していたとしてモロン地裁に起訴されていました。国軍は、43人はフィリピン共産党の武装組織である新人民軍(NPA)だとみなし、左派系団体は、医師などの医療関係者だと反論していました。
After 10 months in jail, 38 members of 'Morong 43' set free
日刊紙「フィリピン・デイリー・インクワイヤラー」(2010年12月10日)
CHR seeks immediate release of ‘Morong 43’