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奈良地裁、水平社博物館に対する抗議で差別発言を繰り返した男性に損害賠償命令(6月25日)
奈良県御所市にある水平社博物館を運営する公益財団法人奈良人権文化財団が、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の幹部男性(当時)が2011年1月に行った抗議行動による差別発言で名誉を傷つけられたとして、この男性に1,000万円の損害賠償を求めた裁判の判決が2012年6月25日、奈良地裁で出されました。
判決によると、被告は、水平社博物館前の路上において、ハンドマイクを使用して、不当な差別用語を含む演説をするとともに、その演説の状況を動画サイトに投稿し、広く市民が視聴できる状態においていると指摘したうえで、被告の言動が名誉棄損に当たると認めました。そして、被告の不法行為となる言動によって原告(奈良人権文化財団)に生じた有形・無形の損害は相当大きなものであるといわざるを得ないと判断し、慰謝料150万円の支払いを命じました。
1998年に設立された水平社博物館は、部落問題および水平社運動などに関する常設展示をするとともに、人権に関わるテーマを設定して特別展示や企画展示などを開催しており、抗議行動が行われたのは、2010年12月10日から2011年3月27日までの企画展「コリアと日本-韓国併合から100年」の開催期間中でした。