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謝る相手は沖縄と元「慰安婦」、という怒りの声
日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長は、東京の日本外国特派員協会で5月27日に開かれた記者会見で、5月1日に米軍普天間飛行場の司令官に「もっと風俗業を活用してほしい」「そうしないと海兵隊の猛者の性的エネルギーをコントロールできない」と進言したことに対して、「今回の私の発言は、アメリカ軍のみならずアメリカ国民を侮辱することにも繋がる不適切な表現でしたので、この表現は撤回するとともにお詫び申し上げます。この謝罪をアメリカ軍とアメリカ国民の皆様が受け入れて下さいます事、そして日本とアメリカが今後とも強い信頼関係を築いていけることを願います」と撤回と謝罪を行いました。
橋下市長の記者会見を受けて、野党の超党派の女性議員6人が翌28日、同特派員協会で記者会見し、旧日本軍慰安婦をめぐる日本維新の会の橋下徹共同代表の一連の発言を強く批判しました。
記者会見に臨んだひとり沖縄県選出の糸数慶子参院議員(無所属)は「橋下氏は沖縄の風俗業についての発言で米軍や米国民に謝罪・撤回したが、まず謝罪すべき相手は沖縄県民だ」と批判しました。
また、5月28日付の沖縄タイムスは橋下市長の記者会見を振り返り、「『不快感』だけが残った」と題する社説を掲載し、この間の維新の会の国会議員による元「慰安婦」に対する暴言の数々を列挙したうえで、そのような議員の人権感覚と国際感覚の欠如を指摘しています。そして、「風俗業の活用」に関する発言について、「『在日米軍の綱紀粛正を徹底してもらいたい』というのが真意だと釈明したが、これまで何度、綱紀粛正という言葉が繰り返されてきたことか。沖縄の問いかけには何も答えていない」と社説は結んでいます。
沖縄タイムスや琉球新報など沖縄のメディアは、橋下発言をめぐって、「米国にだけ顔を向けている」「謝るべき相手は沖縄と元『慰安婦』だ」という怒りと失望を掲載しています。
・橋下徹日本維新の会共同代表が発表した見解全文(2013年5月27日)
・沖縄タイムス 社説[橋下氏会見]「不快感」だけが残った(2013年5月28日)
・「慰安婦」生存者のハルモニ、橋下大阪市長との面談断る(2013年5月24日)
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宜野湾市にある米軍普天間基地。中央前方は滑走路。
普天間基地近くにある「真栄原新町」で知られる旧「風俗街」(いずれも撮影・藤本伸樹)