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児童労働反対世界デー

 毎年6月12日はILO(世界労働機関)が世界の児童労働の撤廃とそのために必要な行動することを定めた日です。日本の様々なNGOもこの日に応えて、世界の児童労働を撤廃するために様々な活動を展開しています。児童労働とは条約によれば、15歳未満の子どもが労働によって義務教育を受けられず、子どもの健全な成長を妨げる労働のことです。また、18歳未満の子どもが最悪の形態の児童労働に従事することも禁止されます。ただし、家や田畑での手伝い、小遣い稼ぎのアルバイトなどは含まれません。

ILOの呼びかけ

 ILOは今年のテーマを「家事労働における児童労働にノー!」と定めました。
 子どもが他人の家で家事労働をすることは、他の習慣や文化を学ぶことができる成長の機会と捉えることができます。すべての家事労働が児童労働にはあたらないのですが、個人の家庭で人目に付かず、児童労働の問題の発覚が非常に困難になってしまいます。人目に付かない家庭のなかでは、使用人が子どもを低賃金、或いは無報酬で働かせ、長時間の労働や肉体的、精神的、性的虐待を行い、子どもは健全な成長の機会がなく、学校にも行けないという問題が可能性としてあります。
2013年の児童労働反対世界デーに寄せてILOは「家事労働における児童労働を無くすために立法と政策を改革すること、適切な労働条件を提供すること、家事労働において法的に働くことができる若年労働者を適切に守ること、ILO加盟国は『ILO189号条約(家事労働者の適切な仕事に関する条約)」と『ILO138号条約(就業が認められるための最低年齢に関する条約)』を批准し実行すること、児童労働反対の気運を世界中に作り、児童労働に対処するために家事労働団体をサポートすること』を呼びかけました。
 また、ガイ・ライダーILO事務局長は「児童労働は基本的人権の侵害である。家事労働における児童労働やその他の児童労働は世界のどこであろうと言い訳をすることができない人権の侵害である」などと声明を発表しました。

世界の児童労働の実態

 ILOの報告によると2008年時点で、世界の児童の数は15億8628万8千人で、その内児童労働に従事している児童は2億1526万9千人です。さらに最悪の形態の児童労働に従事している児童は1億1531万4千人です。また、5歳から14歳の児童が児童労働に携わっている数は1億5285万人で、最悪の形態の児童労働の数は5289万5千人です。
 最悪な形態の児童労働とは、「奴隷のように働かせる仕事(債務奴隷、強制徴用の兵士、人身取引)、売春やポルノに子どもを使うこと、不正な活動に子どもを使うこと(犯罪の手引きや麻薬の密売など)、児童の健康、安全、道徳を害する業務(危険有害業務、深夜業、坑内労働など)」です。ILO182号条約は18歳未満の子どもがこれらの労働に従事させられることを禁止しています。ILOは2016年までに最悪の形態の児童労働撤廃を目標に掲げています。

日本での取り組み

 第5回アフリカ開発会議(TICAD)が6月1日から3日に横浜で開催されました。その中で、ILO駐日事務所と CL-NET(児童労働問題に取り組むNGOの児童ネットワーク)が共催で公開シンポジウムを開催しました。6月中、CL-NETが主催となり「ストップ!児童労働」と書かれた旗と一緒に写真を撮って「ひとはたあげよう」アクション企画が実施されています。その他、NGOが個々に児童労働を無くすために、具体的な行動を起こしています。
 

参考
World Day Against Child Labour
http://www.un.org/en/events/childlabourday/
International Labour organization
http://www.ilo.org/global/topics/child-labour/lang--en/index.htm
ILO駐日事務所
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/conf/2013ticadv.htm
Global child labour developments: Measuring Trends from 2004 to 2008
http://www.ilo.org/ipecinfo/product/viewProduct.do?productId=13313
児童労働ネットワーク
http://cl-net.org/campaign/hitohata.html

(2013年06月13日 掲載)