世界経済フォーラムが2006年以降毎年公表しているジェンダー・ギャップ指数の2013年報告が10月25日に公表されました。ジェンダー・ギャップ指数は、経済参加、教育、健康、政治参加の4つの分野における男女の格差を指数化しています。
日本は136カ国中105位で、韓国の111位についでOECD加盟国の中では最も低くなりました。2012年は135カ国中101番目でした。日本は健康の分野では34位ですが、教育では、識字率、中等教育までの入学率は格差が小さい一方、高等教育での格差で順位を落とし、経済参加、政治参加の分野での格差が大きいことが示されています。
上位は昨年と変わらず、北欧4カ国、アイスランド、フィンランド、ノルウェー、スウェーデンが続き、5番目にはアジア地域で最も高かったフィリピンが入りました。北欧4カ国について、報告はこれらの国が識字率、高等教育についても平等を達成しているだけではなく、そのことが経済参加につながり、賃金格差は残っていても世界でも最小であり、指導的地位への機会も多いことをあげています。また、これらの国では父親の育児休暇の義務化など家庭内のより平等な労働分業やワークライフバランスの改善に向けた政策が導入されており、そのことによって出生率も他のOECD加盟国よりも高いことが指摘されています。
報告は国の競争力について、女性のエンパワメントは国の人材の有効な活用になり、ジェンダーの不平等を是正することが経済発展につながると述べ、日本について、アラブ首長国連邦、ブラジルなどとともに、女性の教育に投資をしたものの、女性の経済参加の障壁を取り除いていないために投資の成果が得られていないとしています。(10月25日)
出所:
The Global Gender Gap Report 2013 (World Economic Forum) http://www.weforum.org/reports/global-gender-gap-report-2013
参考:
「ジェンダー・ギャップ指数2012、日本は一層後退」ヒューライツ大阪ニュースインブリーフ(2012年10月)https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section3/2012/10/2012.html
(2013年10月28日 掲載)