ヒューライツ大阪は
国際人権情報の
交流ハブをめざします
12月8日に成田空港からタイに46人をチャーター機で強制送還、抗議の声相次ぐ
法務省入国管理局は2013年12月8日、超過滞在などを理由に入国管理施設に被収容中で、送還を忌避していたタイ人46人を成田空港からバンコクにチャーター機で強制送還しました。報道などによると、送還されたのは男性26人、女性20人で、そのうち子どもが3人でした。20年以上日本に定住していた人が13人で、日本人や永住資格をもつ外国人の配偶者も含まれているもようです。
チャーター機による一斉送還（集団送還）は、7月6日に超過滞在のフィリピン人75人を送還して以来、2回目のことです。フィリピンへの送還の際は、退去強制令書などの取消を求めるための訴訟の提訴期限内（発付後6カ月以内）の被送還者が22人もいたこと、送還過程における男性に対する手錠の過剰使用といった問題点のほか、多くの被送還者が、日本で一緒に暮らすパートナーや子どもなど家族と分離させられていたことが送還後に行われた市民団体や個人の調査で判明していました。
そうした調査結果を基に、11月5日の衆議院法務委員会の一般質疑の中で、郡和子議員がさまざまな人権・人道上の問題点の指摘を行っていました。
入管の送還基準および「在留特別許可に係るガイドライン」をめぐる課題が根本的に議論される前に同様の一斉送還（集団送還）を行ったことに対して、「移住労働者と連帯する全国ネットワーク」（移住連）は12月11日に抗議声明を発表し、「非正規滞在である人も家族と分離されることなく結合を保つことができること」、「日本での定着性が十分に考慮され合法化が検討されること」「非正規滞在外国人をめぐる施策を根本的に見直す」ことなどを政府に求めています。
また、「日本カトリック難民移住移動者委員会」、「入管ウォッチャーズ」などの市民団体が抗議声明を出し、法務大臣や入国管理局長に送付しています。
＜出典＞
法務大臣閣議後記者会見の概要 平成25年12月10日（火）：
チャーター機による送還忌避者の送還等に関する質疑について
2013.12.11 【抗議声明】 チャーター機によるタイへの一斉送還に対する抗議声明
（移住労働者と連帯する全国ネットワーク）
＜参考＞
フィリピン人75人の成田空港からの集団送還（7月6日）に関する実態調査－人権・人道上の問題が浮き彫り（ヒューライツ大阪ニュース・イン・ブリーフ）
