国際労働機関(ILO)の第103回総会が5月28日から6月12日まで開催されていましたが、6月11日、「強制労働に関するILO条約29号の議定書」と勧告が採択されました。
ILOの29号条約は1930年に採択され、32年に発効、日本を含む177カ国が加盟しています。加盟国は1条で、強制労働の使用を廃止することを約束しています。強制労働の禁止は1998年に採択された労働における基本的原則及び権利に関する宣言に、結社の自由、児童労働の廃止、差別の撤廃と並んで条約の批准に関わらず、全ての国が取り組まなければならない普遍的な原則としてあげられています。また、1957年の105号条約も強制労働の廃止に関するものですが、日本は加盟していません。
今回採択された議定書は、人身売買など現代起っている問題にも対応し、強制労働の防止、被害者の救済なども含みます。加盟国は、強制労働の使用の廃止に向けた政策や行動計画を作成し、防止に向けて被害者になりやすい人だけでなく、雇用者などにも啓発し、公共および民間部門での強制労働防止のためのデュー・ディリジェンスを支援することなどが求められます。また、強制労働の被害者にはその在留資格に関わらず、補償も含めた適切で実効的な救済を確保しなければなりません。また、被害者が強制されて行った違法行為について起訴または処罰されないよう必要な措置を取るよう求められます。
議定書の条文の実施に向けた具体的な措置などを提案する勧告も併せた採択されました。
出所:
ILO adopts new Protocol to tackle modern forms of forced labour,ILO Press Release6月11日
http://www.ilo.org/global/about-the-ilo/media-centre/press-releases/WCMS_246549/lang--en/index.htm
(2014年06月13日 掲載)