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国連人種差別撤廃委員会の日本審査を前に‐ジュネーブ報告(8月18日)

 国連人種差別撤廃委員会は、日本政府がまとめた人種差別撤廃条約の実施に関する第7・8・9回報告書を8月20日と21日に国連審査を行います。2001年の第1・2回、2010年の第3〜6回報告審査に次いで、日本が同条約の締約国となって実質3回目の審査になります。
 審査に先立つ8月18日、国連ジュネーブ事務所(パレ・ウィルソン)で、委員会主催のNGOとの非公式ミーティングが行われました。18名の委員の大半が出席のもと、今週審査されるイラク(ジュネーブに事務所を置く国際NGO)、カメルーン、日本からのNGOが時間を区切って報告しました。
 日本のNGOは、反差別国際運動(IMADR)をはじめとする「人種差別撤廃NGOネットワーク」に参加する団体や日弁連の弁護士など約20名が参加し、委員会に事前に書面提出しているレポートをベースに、11団体が各3分間で課題の要点を発表しました。ヒューライツ大阪は、移住労働者と連帯する全国ネットワーク(移住連)との連名で、2012年7月の改定入管法の問題点(罰則制度と移住女性に対する影響)、および東日本大震災と移住者について報告しました。
 NGO報告を受けて、多くの委員から事実確認や詳細を求める質問が出されました。とりわけ、日本における喫緊の課題であるヘイトスピーチ、人種差別の扇動などに対して処罰立法を求める人種差別撤廃条約第4条a・b項を日本が留保していることに関すること、表現の自由とヘイトスピーチの規制との関連に関することなどの質問が矢継ぎ早に出されました。また、部落問題に関する質問も出されました。
 委員たちは、日本のNGOがさまざまな課題をリレーしながら包括的にカバーしたとして異口同音に評価しました。8月20日の審査の初日には、今度は人種差別撤廃NGOネットワークの主催で委員を招いてミーティング(ブリーフィング)を開く予定です。
 日本審査が終了する21日まで、ヒューライツ大阪からジュネーブに派遣中の藤本がレポートしていきます。
参考 http://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=14951&LangID=E (国連人権高等弁務官のサイト:英文)
Committee on the Elimination of Racial Discrimination discusses situation in Iraq, Cameroon and Japan with NGOs 
(18 August 2014)   

(ジュネーブ・藤本伸樹)

DSCF1833.jpg

NGOブリーフィングの様子

(2014年08月19日 掲載)