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名古屋市議会と奈良県議会、国にヘイトスピーチの法規制を求める意見書を採択(10月1日、6日)
国連人種差別撤廃委員会が8月に採択した日本に対する総括所見(最終見解)で、ヘイトスピーチ規制のために国内法整備などの対策を求める勧告を出したことを受けて、国立市議会がマイノリティーへの差別を禁止する新たな法整備を強く求めるという意見書を9月19日に採択しましたが、それに続き10月1日に名古屋市会で、6日に奈良県議会が同様の意見書を採択し、国に提出しました。
名古屋市会と奈良県議会の意見書は、国連勧告に加えて、大阪高裁が、在特会の会員らが京都朝鮮第一初級学校に対して行ったヘイトスピーチなどを不法行為だと認めた7月8日の判決にも言及しています。
さらに、奈良県の意見書では、2011年に県内で行われたヘイトスピーチとその裁判に言及し、「奈良県においても平成23年、御所市の水平社博物館前において、差別用語を用いて被差別部落の住民や出身者を差別・侮辱する街頭宣伝行為を行ったことに対し、奈良地方裁判所はこれを差別と認め、損害賠償を命じる判決を言い渡している」と具体例が示されています。ヘイトスピーチに関する意見書を都道府県議会が可決するのは初めてとみられます。
<出典>
ヘイトスピーチ対策に関する意見書(名古屋市会・2014年10月1日)
ヘイト・スピーチ(憎悪表現)に反対しその根絶のため法規制を求める意見書(奈良県議会・2014年10月6日)
<参考>
人種差別撤廃委員会、ヘイト・スピーチ規制や朝鮮学校への就学支援金など日本に勧告(8月29日)
国立市議会、ヘイトスピーチの法規制を求める意見書を採択(9月19日)
京都朝鮮学園に対するヘイトスピーチ、大阪高裁も「人種差別」と認定し在特会に賠償と街宣禁止の判決(7月8日)
奈良地裁、水平社博物館に対する抗議で差別発言を繰り返した男性に損害賠償命令(2012年6月25日)