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「保守速報」に対するヘイトスピーチをめぐる第1回公判開かれる(10月30日)

 ヘイトスピーチで名誉を傷つけられたなどの理由で、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)および同会の桜井誠会長と、差別的な書き込みを掲載したインターネットサイトの運営者「保守速報」に対して合計2,750万円の損害賠償を求めて大阪府在住の在日コリアンの李信恵さんが2014年8月に提訴しましたが、10月30日に保守速報についての第1回公判が大阪地裁で行われました。被告側は欠席したまま、李さんの弁護士が訴状を読み上げました。10月7日に第1回公判が開かれた際にも被告側は欠席していました。
公判後に行われた支援者集会で、大杉弁護士が「保守速報は写真を含む李さんに関する差別的・侮辱的な内容の書き込みをこの1年間で45本も掲載しました。この裁判は、人種差別であると同時に、李さんが女性であることに関わる女性差別の言動も伴っており、両方の側面から問題を主張していく方針です」と述べました。
李さんは、「保守速報は、裁判を前にして45件の書き込みのうち1件を残してネット上からすべて削除してしまいました。私が『保守速報をしばく』と発信した内容のみ残しています。『しばく』というのは司法の場でしばくという意味です」と背景を説明しました。「裁判の過程で私に浴びせかけられてきたヘイトスピーチを提示することで、差別の追体験をすることになるのが辛いです。しかし、声をあげたくてもあげられないで我慢を強いられている人たちがたくさんいると思います。何としても踏ん張りたいと考えています」と語りました。
ヘイトスピーチをめぐり、これまでいくつかの法人や団体が在特会などを訴えていますが、李さんが個人として初めて裁判を起こしています。第2回目の公判は、在特会について12月16日、保守速報については2015年1月15日に開かれる予定です。

(2014年10月31日 掲載)