弁護士や研究者、在日コリアンを中心に構成する大阪の市民団体(事務局:NPO法人多民族共生人権教育センター)が12月25日、ヘイト・スピーチ対策を検討している大阪市に、独自に作成した規制に関する条例案・骨子を提出しました。大阪市は26日に開かれる検討部会に、この条例案を資料として提出するとしています。
条例案は、ヘイト・スピーチを、人種差別撤廃条約の趣旨に即し、人種、皮膚の色、世系、民族、国籍、社会的身分を理由に集団あるいは個人に対して、冒涜、中傷、または暴力を扇動することと定義しています。
条例案の骨子では、「ヘイト・スピーチ」の禁止を明文化することとともに、被害者などからの申し立てを受けて実態調査や勧告などを行う中立な機関として「ヘイト・スピーチ侵害防止委員会」の設置を求めています。この委員会は、ヘイト・スピーチに当たるかどうかを判断して中止を勧告したり、警察や行政に道路や市の管理施設の使用を許可しないように進言できるとしています。さらに、被害者が法的救済を求める場合の訴訟援助や禁止条項の違反者に対する罰則規定を設けることなども求めています。
市民団体は、この案をもとにさらに議論し、2015年1月に再度、条例案を市に提出する計画です。一方、大阪市は2月までに具体的な方策をとりまとめたいとしています。
ヘイトスピーチ規制条例骨子案2014年12月25日現在).pdf
<出典>
https://www.facebook.com/NoHateOsaka
いっしょにつくろう!大阪市ヘイトスピーチ規制条例
http://www.city.osaka.lg.jp/shimin/cmsfiles/contents/0000007/7141/5bukaiyousi.pdf
大阪市人権施策推進審議会第5回「憎悪表現(ヘイトスピーチ)」に対する大阪市としてとるべき方策検討部会(大阪市)
http://www.city.osaka.lg.jp/shimin/page/0000007141.html
大阪市人権施策推進審議会(大阪市)
<参考>
https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section1/2014/11/11.html
大阪市の「ヘイトスピーチ検討部会」、11月中旬に被害当事者団体からのヒアリングへ(ヒューライツ大阪)
https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section3/2014/10/post-114.html
大阪市におけるヘイトスピーチ対策の動向(ヒューライツ大阪)
(2014年12月26日 掲載)