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犯罪対策閣僚会議、「人身取引対策行動計画2014」策定(14年12月16日)
犯罪対策閣僚会議は14年12月16日に「人身取引対策行動計画2014」を策定し、ウェブサイトで公表しました。
政府は、日本における人身取引の防止、撲滅、被害者保護・支援などを目的に、2004年12月に「人身取引対策行動計画」を策定しました。そして、事態の変化を受けて「人身取引対策行動計画2009」へと改訂していましたが、2020年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けた「世界一安全な国、日本」の構築への一環として今回新たに改訂したものです。
「行動計画2014」の大きな特徴は、労働搾取を目的とした人身取引の防止、男性を含む被害者の保護・支援が盛り込まれたことです。従来の行動計画は、人身取引の際立った特徴である女性の性的搾取のみに焦点をあてた内容でした。
「行動計画2014」は、2015年度からの建設労働者をはじめとする外国人技能実習生の受け入れ拡大に伴う「外国人技能実習制度の抜本的な見直しによる制度の適正化」という政府の方針に沿った内容になっています。また、2015年度をめどに計画されている国家戦略特区における「外国人家事支援人材」の適切な受け入れに言及しています。
また、人身取引に関する施策の実施状況などについての年次報告の作成と公表をするとしています。
新行動計画に関して、政府は、「人身取引対策行動計画2014(仮称)」として案文をホームページ上で公開し、意見(パブリックコメント)を11月24日まで求めていました。
それを受けて、人身取引の被害者支援に取り組むとともに、政策提言を行っているNGOなどで構成する「人身売買禁止ネットワーク」(JNATIP)が中心となり、包括的なコメントを11月24日に政府に提出していました。しかし、その内容は反映されないまま、案文内容がほぼそのまま「行動計画2014」と決まったことになります。
<出典>
人身取引対策行動計画2014 (2014年12月16日)
人身取引対策行動計画2014の概要
犯罪対策閣僚会議(首相官邸)
<参考>
「人身取引対策行動計画2014(仮称)」(案)に対して政府に意見を共同で提出しました(ヒューライツ大阪)