「イスラム国」(IS)のメンバーとみられる、ナイフをかざし覆面をした男が、72時間以内に日本が身代金を支払わなければ、拘束している日本人2人の人質を殺害すると脅迫する映像が、1月20日にインターネット上に公開されました。事態を受けて、日本政府は緊急に情報収集や対策を行っていると大きく報道されています。
そうしたなか、フォト・ジャーナリストおよびビデオ・ジャーナリストで構成する日本ビジュアル・ジャーナリスト協会( JVJA )が1月20日に日本語とアラビア語、英語による声明を発表し、ウェブサイトやツイッター上に各言語で発信しています。
声明は、同協会のメンバーが、イラク戦争とその後の占領下において、米英軍を中心とした有志連合軍による攻撃がイラク市民にどんな災禍をもたらしたかについて、またイスラエルのパレスチナ・ガザ地区への無差別攻撃に晒された市民などを取材し、テレビや新聞などで報道してきたと報告しています。それらの報道では、アメリカやイスラエルの攻撃を肯定するものではなく、あらゆる暴力を批判してきたとともに、日本政府の戦争政策に対しても批判してきたと述べています。そのうえで、「イスラム国」と日本政府に以下のように呼びかけています。
「私たちは、IS(イスラム国)の皆さんに呼びかけます。日本人の後藤さんと湯川さんの2人を殺さないように呼びかけます。人の命は他の何ものにも代え難いものです。イスラムの教えは、何よりも平和を尊ぶことだと理解しています。
私たちは、同時に日本政府にも呼びかけます。あらゆる中東地域への軍事的な介入に日本政府が加担することなく、反対し、外交的手段によって解決する道を選ぶようにと」。
<出典>
http://www.jvja.net/JVJA_IS.htm
IS( イスラム国) による日本人人質事件に対する声明
Statement on IS (Islamic State) Japanese Hostage Incident
https://twitter.com/jvja_member
日本ビジュアル・ジャーナリスト協会
(2015年01月22日 掲載)