ヒューライツ大阪は
国際人権情報の
交流ハブをめざします
大阪市、ヘイトスピーチ対策の条例案を議会に提出(5月22日)
大阪市は5月22日、ヘイトスピーチを抑止することを目的とする「大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例案」を市議会の5月定例会に提案しました。
条例案は、ヘイトスピーチを、特定の人種・民族の個人または集団に対して、社会からの排除、権利・自由の制限、あるいは憎悪や差別意識、暴力を扇動することを目的に、侮辱や誹謗中傷、脅威を感じさせる表現を公然とする行為などと定義しています。
被害者(市内に在住・在勤・通学者・市内に主たる事務所を置く団体)の申立てを受け、学識経験者でつくる審査会(市長の付属機関)が問題行為だと認定すれば、個人の名前や団体名を市のホームページなどで公表するとしています。
また、市は被害者に訴訟費用を貸し付けることができ、裁判で条例の目的を達成する上で有益であったと認められた場合などは、費用返還の一部または全額免除するとしています。
一方、焦点であった罰則に関しては、国の人権侵犯事件処理手続に強制力を伴う措置がないなか規定を設けることは困難であること、公共施設の利用制限に関しては、「表現の自由などの観点から難しい」こと、表現内容がヘイトスピーチに該当するかどうかはその内容を確認しなければ判断できないことという判断から盛り込まれませんでした。
ヘイトスピーチに対処するための自治体での条例化の取り組みは全国で初めてです。
<出典>
大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例案(2015年5月22日)
ヘイトスピーチに対する大阪市としてとるべき方策について(答申)(2015年2月)
<参照>
大阪市、ヘイトスピーチ対策のための条例案要綱(案)の意見募集(3月13日~4月12日) ヒューライツ大阪