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インドネシア石炭火力発電事業への日本の公的融資の拒否を求める緊急要請書を提出(9月25日)

 国際協力銀行(JBIC)が融資を検討している「インドネシア・中ジャワ州バタン石炭火力発電事業」の建設をめぐり、国際環境NGO FoE Japan、インドネシア民主化支援ネットワーク(NINDJA)、「環境・持続社会」研究センター(JACSES)など20ヵ国63市民団体が事業の融資調達期限である10月6日を間近に控えた9月25日、安倍首相、麻生財務大臣、JBIC・渡辺総裁に対して融資をしないよう求める要請書を提出しました。
同事業は、電源開発(J-Power)と伊藤忠が出資を決め、日本政府が100%出資する政策金融機関のJBICが2,000億円近くの融資を検討している総事業費約4,800億円のプロジェクトです。
要請書では、事業は、農業・漁業など生計手段の喪失や公害による健康被害を懸念する地元住の強い反対運動により、4 年近く着工が遅れてきたこと、および事業予定地内の土地売却を拒む地権者たちに対し、インドネシア国軍・警察などによる脅迫、暴力行為、および、不当逮捕・拘禁など、さまざまな人権侵害が繰り返されてきたという経緯を説明しています。予定地内で土地を所有する67名の地権者たちは、土地売却を拒否しており、中ジャワ州スマラン市では、土地の収用手続に対する違法性を問う行政裁判を起こし、公判が続いています。
2015年7月29日、住民23名はJBICに異議申立書を提出し、生活悪化をはじめとする人権侵害を引き起こす発電所事業は「環境社会配慮確認のためのJBICガイドライン」(以下、ガイドライン)の規定に違反していると指摘しました。JBICは「ガイドラインに基づく異議申立手続要綱」に基づき、インドネシアのプロジェクト実施主体に申立書の意見を伝え、ガイドラインに則った適切な環境社会配慮が実施されるはずでした。
しかし、状況は改善されるどころか、地権者に対するさらなる人権侵害の事例が報告されています。8月28日の着工式に出席するために現場を訪れたジョコ・ウィドド大統領に事業反対の声を伝えようとした反対派住民らは、軍・警察の高圧放水を受け、式典の場所に近づくことすら許されませんでした。そして、9月11日からは、地権者や農民の「同意」もないまま、インドネシア国軍の重機による土地整備作業が再開され、年3回のコメの収穫が可能な肥沃な農地に水を送り続けてきた灌漑設備がいとも簡単に破壊されたといいます。
<参考>
http://www.foejapan.org/aid/jbic02/batang/150918_2.html(FoE Japan)
インドネシア・中ジャワ州バタン石炭火力発電事業
日本の公的融資供与の拒否を求める緊急要請書
http://sekitan.jp/jbic/?p=1184
インドネシア・バタン石炭火力 住民が異議申し立てに来日(2015年7月)
バタン火力発電所NGO緊急要請書(2015年9月25日).pdf

(2015年09月29日 掲載)