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市民グループ、ヘイト団体への大阪市の施設使用許可の取り消しを要請(2月19日)
「大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例」が2016年1月18日から施行されていますが、在日コリアンの排斥や殺害煽動などを繰り返してきた人物や団体らは、「ヘイトデモ」を続けると宣言しています。2月21日に大阪市内で「日韓断交」を掲げるデモ行進を市の公園を起点に予定しているとともに、3月13日に大阪市立の2ヵ所の施設で集会を開催する計画をインターネット上で公表しています。すでに会場となる公園および施設の利用許可を大阪市から得ています。
そのような事態に対して、条例制定に取り組んできた市民グループ「いっしょにつくろう!大阪市ヘイトスピーチ規制条例」は2月19日、大阪市長あてに(1)条例の早期全面施行、(2)2月21日のヘイトデモに関わる公園、および3月13日のヘイト集会を目的とした施設利用の取消し、(3)条例に関する市民啓発、とりわけ今回のデモ・集会の主催関係者に対する啓発を行うとともに、中止できない場合は職員の派遣と実態把握や現場での啓発の実施、 (4)条例の担当部署の設置を求める要望書を提出しました。
要望書を受け取った市の施設管理および人権担当者は、憲法で保障された表現の自由などから事前規制には限界があり、正当な理由がない限り拒めないと応じました。大阪市には、使用許可の取り消しを求める電話がこれまで約80件かかってきたことを明らかにしました。
条例は、現時点では目的、定義、啓発に関する第1条から3条までが部分的に施行されています。2016年夏をめどに全面施行される見通しで、審査会が設置され、市長がヘイトスピーチと認めた団体や個人の名前をホームページで公表することになっています。
<参考>
条例の条文(大阪市ウェブサイト)
「大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例」について(2016年1月20日)
大阪市ヘイトスピーチ対処条例、1月18日から施行(ヒューライツ大阪ニュース・イン・ブリーフ)