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国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)第63会期がジュネーブで始まる~2月15日にNGOによるブリーフィング開催、16日は日本報告審査
女性差別撤廃委員会(以下、委員会)の第63会期が本日2016年2月15日から3月4日の日程で、ここジュネーブにある国連欧州本部で始まりました。この会期中に第7次・8次の日本政府報告書が審査されるため、日本において女性の人権にかかわるさまざまなNGOから大勢参加しています。
ヒューライツ大阪は、とりわけ社会の周辺に置かれているマイノリティ女性の人権について積極的に情報収集し、この問題に取り組む当事者組織やNGOと連携をとりながら、今回の審査に向けた準備活動に関わってきました。
今会期では日本を含め8カ国の審査が行われますが、日本の審査は一番早く、明日2月16日に行われます。2月1 5日は、委員会が明日からの審査に向けて、日本を含めた4カ国(アイスランド、スウェーデン、モンゴル)からのNGOを招いた「非公式NGOブリーフィング」(informal meeting)を午後3時から4時半まで開催しました。
NGOブリーフィングのうち、日本に与えられた発言時間は15分でした。さまざまなNGOが参加しているため、JNNC(日本女性差別撤廃条約NGOネットワークの略、45団体で構成。ヒューライツ大阪およびマイノリティ女性のグループを含みJNNC関係NGOから合計80人が参加)が発言できる時間は数分程度でしたが、JNNCとして以下の重要課題を訴えました。
まず、日本政府が条約機関からの勧告を軽視している点を指摘したうえで、選択性夫婦別姓制度の実現や婚外子差別の解消など民法改正、女性の貧困(とりわけマイノリティ・コミュニティ、移住女性、母子家庭)、雇用における格差の是正、「慰安婦」問題についての日本政府の姿勢への批判、女性への暴力、ジェンダー平等教育の推進、意思決定の場への女性の参加拡大、福島第一原発事故と健康施策、女性差別撤廃条約選択議定書の未批准の問題などを挙げました。
その後、アイスランド、スウェーデン、モンゴルからのNGOも同様に発言を行いました。それら4か国の発言をうけて、委員会から質問が出され、それに対してNGOが答える形で公式NGOブリーフィングが終了しました。
委員会は、審査国の課題についてNGOにも積極的な情報提供を呼びかけています。そのため、日本に関連するNGOからの情報提供は委員会のウェブサイトに延べ27本も掲載されており、その熱心さがうかがわれます。マイノリティ・コミュニティからは、部落、在日コリアン、アイヌの女性たちが共同でNGOレポートを委員会に提出し、ジュネーブの審査にも合計9人の代表が参加しています。また障害女性のグループも今回はじめてNGOとして審査に関わり、代表を送りました。
2月16日は、1日かけて、委員会と日本政府代表団との質疑応答(審査)が行われます。
(2016年2月15日 ジュネーブから 朴君愛)
<参考>
日本報告審査のもようは国連のウェブサイトで実況をみることができます。スケジュールは、ジュネーブ午前10時~午後1時(日本時間の午後6時~9時)、午後3時~午後5時(日本時間の午後11時~17日午前1時)です。(http://www.treatybodywebcast.org/)