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トルコへのシリア難民児童、「失われた世代」になるリスク-ユニセフ
国連児童基金(ユニセフ)によると、トルコにいるシリア難民児童の学校に通っている人数は明らかに増加しているにもかかわらず、まだ40%以上が教育を受けられていません。
「更なる資源が供給されない限り、シリアの子どもたちが『失われた世代(lost generation)』となる非常に現実的なリスクが依然として存在し、いつか彼らの国を再建するのに必要となるスキルが奪われてしまう」とトルコを訪問したユニセフのジャスティン・フォーシス事務局次長は述べました。
2017年1月現在、50万人近くのシリア難民の子どもたちがトルコ各地の学校で学んでいます。しかし2016年6月以降、前年比で50%以上の就学増となったものの、40%を超える学齢期の子どもたち(38万人の難民児童)がいまだ教育機会を逃しています。
「シリア危機が始まって以来初めて、トルコにおいて授業に出席しているシリア難民の子どもたちは、学校に通っていない子どもたちよりも多くなった」「トルコはこの大きな業績を称賛されるべきだ」とフォーシス事務局次長と語っています。また、グテーレス国連事務総長は、多様性は「豊かさで、脅威ではない」とムスリム差別に反対するフォーラムにおいて述べています。
トルコには現在120万人以上の難民児童がおり、世界最大の難民児童の受入国となっています。
ユニセフはトルコ政府と協力し、教育システムの強化、学習機会の増加、およびシリア人の子どもや弱い立場のトルコ人の子どもたちへのインクルーシブ教育の質の向上を支援しています。
また、2013年以来、ユニセフは400近くの学校を建設、修復または設備の提供をしてきており、2万人のシリア人ボランティア教員を訓練してきており、そのうち約13,000人のが有償ボランティアとして働いています。
学習が続けられるよう就学困難な子どもに資金提供しているトルコ政府の政策の対象にシリア人の子どもたちも含めるという施策が進みつつあります。
(構成:谷口勇士・ヒューライツ大阪インターン)
<出典>
2017年1月19日付国連デイリー・ニュース(英語)