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厚労省、2016年の技能実習生の受け入れ企業に対する監督指導状況を公表-4,004の事業場で労働基準関係法令違反(8月)

 全国の労働局や労働基準監督署などの労働基準監督機関が2016年に外国人技能実習生の実習実施機関(受け入れ企業)に対して行った監督指導や書類送検の状況について、厚生労働省が取りまとめて2017年8月9日に概要を公表しました。同省は毎年同様の報告書を発表しています。
 報告書によると、厚労省は、技能実習生の適正な労働条件と安全衛生の確保に取り組んできたとしている一方、受け入れ企業において労使協定を超えた残業、割増賃金の不払い、危険や健康障害を防止する措置の未実施などの労働基準関係法令に違反する事例が依然として存在しているとしています。
 労働基準監督機関が2016年に監督指導に入った事業場は前年より500カ所多い5,672カ所で、うち70.6%の4,004の事業場で労働基準関係法令違反が認められました。これまでで最多の違反件数です。
主な違反内容は、 多い順に①違法な時間外労働など労働時間関係(23.8%)、②安全措置が講じられていない機械を使用させていたなどの安全基準関係(19.3%)、③割増賃金の支払関係(13.6%)などでした。
たとえば、技能実習生8人に対して、法定最低賃金をはるかに下回る月額65,000円で雇用し、時間外・休日労働については、実習1年目は300円、2年目400円、3年目450円の時給しか支払わないという事業所に不払い分の支払いを指導したというケースがありました。
指導しても改善が認められないなど、重大・悪質な労働基準関係法令の違反40件については書類送検が行われました。
 技能実習生の受け入れは毎年増加しており、2016年末時点でベトナム、中国からをはじめとする約22万人が農漁業、建設業、製造業などの分野で働いています。
外国人技能実習制度は、発展途上国の青年男女が日本の企業などでの実習を通して技術習得することにより、母国の経済発展を担うための人材育成を目的に1990年代前半から実施されている制度ですが、人権侵害が多発しており国連人権機関や米国国務省など国際社会から繰り返し厳しい批判と改善勧告を受け続けています。
<出典>
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000174090.html
外国人技能実習生の実習実施機関に対する平成28年の監督指導、送検等の状況を公表します(厚労省)

(2017年08月28日 掲載)