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ILO、児童労働の推計数を公表-世界で約1億5,200万人(9月)
ILO(国際労働機関)は2017年9月19日、現代奴隷に関する報告書とは別に、2012年から2016年のあいだにおける児童労働の推計規模に関する報告書を公表しました。
報告書によると、世界の子ども(5歳から17歳)の10人に1人にあたる約1億5,200万人が児童労働に就いており、そのうち7,300万人が、健康や安全が脅かされたり、精神的な発育の妨げになるような危険な仕事を強いられています。分野別では、農業関連が71%を占め、サービス分野が17%、工業が12%です。
男女別では、男子が約8,800万人、女子が約6,400万人です。女子は家事のような「見えにくい労働」を担っていることが多いため、実際はさらに多いのではないかと指摘しています。
児童労働に従事する子どものうち、430万人が強制労働を強いられており、これは大人を含めた全世界の強制労働の被害者2,500万人の25%にあたるとしています。そのうち、100万人の子どもは性産業で働かされています。
子どもたちは危険な労働環境の影響を受けるだけでなく、脅迫や罰則の脅し、自由の束縛などによるトラウマを負うことから、政府や国際社会による緊急対応が必要であると警鐘を発しています。報告書は、「持続可能な開発目標」(SDGs)の目標8の7に明示する「最悪な形態の児童労働の禁止」などを実現するために、ILOの「最悪の形態の児童労働条約」(第182号)の8条に定めた社会発展や貧困撲滅、教育支援などの国際協力の推進を強調しています。
<報告書>
Global Estimates of Child Labour
<参考>