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米国、「移民に関するグローバル・コンパクト」策定プロセスから離脱(12月2日)
米国のトランプ政権は2017年12月2日、国連の「移民に関するグローバル・コンパクト」策定プロセスから離脱することを表明しました。
オバマ政権時代の2016年9月、国連「難民と移民に関するサミット」が開催され、難民および移民に関する各国の積極的な取り組みを促す「ニューヨーク宣言」が採択されました。「宣言」の中で、国連難民高等弁務官事務所が中心となり「難民に関するグローバル・コンパクト」、また政府間交渉を通して「安全で秩序ある正規移住のためのグローバル・コンパクト」を、それぞれ2018年9月の国連総会での採択に向けて作成することを決めました。
しかし、「米国第一」を掲げるトランプ政権は、この「宣言」は米国の移民政策の原則と相容れないとして、政府間交渉による「移民に関するグローバル・コンパクト」策定プロセスからの離脱を決めたものです。
国連は12月4日から6日まで各国代表を招いてメキシコで草案を話し合う準備会合を開催しました。米国の離脱表明はそれに先立つものでした。
<出典>
United States Ends Participation in Global Compact on Migration
December 2, 2017
U.S. Ends Participation in the Global Compact on Migration
(翻訳)
米国、「移民に関するグローバル・コンパクト」への参加を終了する
プレスステートメント
レックス. W. ティラーソン
アメリカ合衆国 国務長官、 ワシントンD.C.
2017年12月3日
アメリカ合衆国は、「移民に関するグローバル・コンパクト」の策定プロセスへの参加から離脱することを決定した。
「グローバル・コンパクト」に関する交渉は2016年に国連によって採択された「ニューヨーク宣言」に基づいているが、この宣言は、「グローバルガバナンスを強化する」ことを約束しており、アメリカ合衆国の法律や政策と相容れない多くの政策目標を含んでいる。
我々は国連で最前線に立ち続ける一方、我々の移民法を実施し国境を守るというアメリカ合衆国の主権を損ないかねない今回のプロセスを誠実に支持することはとうていできない。
アメリカ合衆国は移民をめぐる課題に関する国際協力を支持する一方、移住が安全で、秩序があり、合法的であることを確保するというのは主権国家の一義的責任なのである。
<参照>
難民・移民に関する国連「グローバル・コンパクト」の作成の議論が進むなか、国際NGOネットワークが「10のアクション」を提案(2017年10-11月)ヒューライツ大阪ニュース・イン・ブリーフ