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国連人権理事会の日本政府審査(UPR)の結果文書、外務省のサイトに翻訳掲載(2018年1月)
国連人権理事会は2017年11月14日、日本の人権状況の定期審査を行いました。この審査は、UPR(普遍的・定期的審査)と呼ばれ、2006年の国連人権理事会の創設に伴い新たに作られた制度です。約4年に一度、国連加盟国193カ国すべての人権状況が審査されます。2017年の審査は、日本にとって3回目の審査で、106カ国から合計217の勧告が出されました。
人権理事会は、各国から出た勧告をまとめた報告書暫定版を11月16日に英文で公表していましたが、外務省はこのほど、その翻訳文を仮訳としてウェブサイトに掲載しました。
UPR第3回日本政府審査・結果文書(暫定版)(仮訳)
勧告は、死刑の執行停止や死刑制度の廃止、国内人権機関(人権委員会)の設置、人権条約に付随する選択議定書(個人通報制度など)の批准、移住労働者権利条約の批准、ヘイトスピーチをはじめとするさまざまな差別を禁止する立法や施策、人身取引対策、ジェンダー平等の推進、女性に対する暴力への対策、子どもの保護・福祉施策、朝鮮学校の「高校無償化」、障害者の権利促進、福島原発事故の被災者の権利保護、ビジネスと人権に関する国別行動計画(NAP)の策定など多岐にわたっています。
日本政府は、次回の人権理事会(2018年2月27日~3月23日)までに、勧告の受け入れおよびその実施に関する可否を回答することが求められています。そうしたなか、人種差別撤廃NGOネットワーク(ERDネット、事務局 IMADR)は1月24日、「結果文書」に含まれている人種差別撤廃に関する勧告を、すべて受け入れて速やかに実施するよう求めた要請文を河野外務大臣に提出しています。
<参照>
UPR(普遍的・定期的レビュー)の概要
UPR日本審査の勧告受け入れを河野外務大臣に要請