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2019年1月の子どもの権利条約の日本報告審査に向けて子ども権利委員会が事前質問を発表(2018年2-3月)
国連子どもの権利委員会は、日本における「子どもの権利条約」の実施状況について、2019年1月14日から2月1日にかけて開く第80会期で審査する予定です。当初は第79会期(2018年9月17日~10月5日)に予定されていましたが、2018年2月に開かれた会期前作業部会の終了後に延期が決まりました。
日本は、1994年に「子どもの権利条約」を批准し、158番目の締約国(2018年3月現在、196ヵ国・地域)になりました。その後、2004年に「武力紛争への子どもの関与に関する子どもの権利条約の選択議定書」、2005年に「子どもの売買、児童買春および児童ポルノに関する子どもの権利条約の選択議定書」の本体条約に付随する二つの選択議定書を批准しています。
これまで、1998年、2004年、2010年に日本報告審査が行われましたが、次回は第4回・5回統合定期報告書をもとに審査が行われます。日本政府は2017年6月付で同報告書を子ども権利委員会に提出しています。それを受けて、「子どもの権利条約NGOレポート連絡会議」や日弁連をはじめとするいくつかの市民セクターからNGOレポートとして委員会に情報提供が行われています。
委員会は、2018年2月5日~9日にジュネーブで会期前作業部会を開きましたが、その期間中に「子どもの権利条約NGO連絡会議」など日本からのNGO/市民団体の代表と面談し、さまざまな課題に関する聞き取りを行いました。委員会は、作業部会終了後の2月22日、日本の第4回・5回統合定期報告書に関連する質問事項(List of Issues)を発表しました。
委員会は、日本政府に、質問事項に基づいて、可能であれば10月15日までに追加情報を提出するよう求めています。質問事項は以下の3部で構成されています。
第1部 本体条約 12項目についての情報
2つの選択議定書についての実施措置の情報
第2部 法制度、施策、予算などに関する情報
第3部 子どもの属性ごとの細分化されたデータ
12項目には、「子どもの権利に関する包括的な法律を採択する計画があるかどうか」、「条約実施を監視し、かつ子どもの権利侵害についての苦情を受理できる国家人権委員会の設置に関する最新情報」、「少女、LGBTIの子ども、非婚の親から生まれた子ども、民族的マイノリティに属する子ども、および日本人以外の出自を有する子どもに対する差別およびヘイトスピーチを解消するためにとられた、狙いが明確な措置に関する情報」、「包括的な差別禁止法を採択する計画があるかどうか」について、また虐待、障害のある子どもの教育に関する情報提供などがあげられています。
日本政府の回答と並行して、NGOも委員会に追加情報を提供する計画です。
<参考>
CRC日本政府への事前質問事項(2018年2月)(ARC平野裕二の子どもの権利・国際情報サイト)
児童の権利条約(外務省)