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人種差別撤廃NGOネットワーク、人種差別撤廃デー院内集会を開催(3月20日)
国連が制定する3月21日の国際人種差別撤廃デーにあわせて、人種差別撤廃NGOネットワーク(ERDネット)が3月20日参議院議員会館で、日本における人種差別撤廃のための法制度の整備を求める院内集会を開きました。ヘイトスピーチ・ヘイトクライム、移住者の権利、在日コリアンの無年金問題、朝鮮学校の高校無償化排除、インターネット上の部落差別、アイヌ民族の権利などに関して取り組むマイノリティ当事者やNGOが課題を報告しました。国会議員をはじめNGO関係者など約60人が参加しました。
街頭およびネット上のヘイトスピーチのモニタリングをしている社会学者の明隆浩さんは、2016年のヘイトスピーチ解消法施行後も在日コリアンに対する差別や暴力扇動が続いていると指摘し、2月に起きた朝鮮総連中央本部に対する発砲事件のような物理的な暴力を支持するコメントがネット上で拡散されている現実があると報告しました。
集会には、人種差別に関する国連特別報告者のテンダイ・アチウメ(Tendayi Achiume)さんがビデオメッセージを寄せ、包括的な差別禁止法を制定することは日本にとって喫緊の課題であると述べました。
集会参加者は、日本政府と国会に対して、ヘイトクライムを非難することを求めるとともに、防止のためにも、国際人権基準に合致する人種差別撤廃のための法制度の整備を求める集会アピールに賛同しました。アピールは、3月19日に国連人権理事会で採択されたばかりの日本についての普遍的定期審査(UPR)の報告書にも言及しています。217におよぶ勧告のなかで、多くの国から人種差別禁止法の制定や国内人権機関の設置を求める声があること、それらは人種差別撤廃条約をはじめとする人権諸条約に基づき幾度も出されている勧告と同様の内容であるとしています。
ERDネットはまた、マイノリティ宣教センターと協力して3月21日に国際人種差別撤廃デー市民集会を開催しました。
<参考>
日本政府、第3回UPRの勧告に対して見解を発表(2018年3月1日付)