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日本政府が「ビジネスと人権に関するベースラインスタディ意見交換会(第3回・第4回会合)」を開催

 外務省(総合外交政策局人権人道課)は2018年4月26日に「ビジネスと人権に関するベースラインスタディ意見交換会」の第3回会合を、5月11日に第4回会合を開催し、その結果概要をウェブサイトに公開しました。
 政府は2016年11月と2017年11月に、ジュネーブで開催された「国連ビジネスと人権フォーラム」の場で、ビジネスと人権に関する国別行動計画(NAP)を「今後数年以内に」策定する旨を表明し、また2016年12月には「持続可能な開発目標(SDGs)実施指針」に併せて策定した「持続可能な開発目標(SDGs)を達成するための具体的施策(付表)」において、国別行動計画(NAP)の策定を施策課題に掲げてきました。
 この間、その策定の「第一段階として、企業活動における人権保護に関する我が国の法制度や取組についての現状を確認するため」(外務省ウェブサイト)のベースラインスタディを外務省が実施し、その一環としての意見交換会であるとされています。3月8日には第1回意見交換会(テーマ「公共調達」)、4月5日には第2回意見交換会(テーマ「法の下の平等(障害者、LGBT、女性)」)が開催されています(既報)。
 第3回意見交換会のテーマは「労働(児童、外国人労働者(外国人技能実習生を含む))」、第4回意見交換会のテーマは「救済へのアクセス」で、関係府省庁、経済界、労働界、市民社会、有識者、各種団体のステークホルダー(関係者・団体)が出席し、政府からテーマに関連する施策の報告が行われたほか、各ステークホルダーから関連する報告が行われました。
なお、国連ビジネスと人権に関するワーキンググループはNAP策定の指針となるガイダンス文書の最終版を2016年11月に公表しており、その内容に沿った策定プロセスが求められています。
 そこでは、「NAPは国連ビジネスと人権に関する指導原則に基づいていなければならない」、「参画可能性と透明性のあるプロセス(inclusive and transparent processes)で策定され、実施されなければならない」等の「不可欠の基準(essential criteria)」が示されています。日本政府は、国連ビジネスと人権に関する指導原則を強く支持し、また、国連ビジネスと人権に関するワーキンググループによる勧告を重視しながらベースラインスタディを実施する旨を、上記の国連ビジネスと人権フォーラムの場で表明しています。
 ヒューライツ大阪が参画している「ビジネスと人権NAP市民社会プラットフォーム」も、上記のガイダンス文書の趣旨を踏まえたNAP策定を求める「ビジネスと人権に関する国別行動計画への初期提言」を2017年5月に出しています。ビジネスと人権に関する指導原則を踏まえた、実効性が高いNAPが策定されるためには、「参画可能性と透明性」を確保した策定プロセスが重要になります。

<参照>

<参考>

(2018年06月10日 掲載)