6月20日の世界難民の日に先がけ、19日に国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が発表した、グローバル・トレンズ・レポート(年間統計報告書)によると、2017年に紛争や暴力、迫害により、世界で移動を強いられた人の数は5年連続で増加しており、6,850万人を上回り過去最高となりました。そのうち2017年に新たに、もしくは、再び移動を強いられた人は1,620万人であり、これは、1日に44,500人、2秒に1人が移動を強いられていることになります。
現在、国連加盟国の政府間会合で、難民に関するグローバル・コンパクトの策定に向けての協議が行われており、2018年末の国連総会において、UNHCRが最終案を提出することになっています。避難先での滞在も長期化する一方、難民の8割以上が、自らも経済的課題を抱える途上国や中所得国に流れ込んでいることから、難民に関するグローバル・コンパクトは、その目的である、1)受入国の負担軽減、2)難民の自立促進、3)第三国へのアクセス拡大、4)帰還先国へのサポート、にもとづき、難民支援の具体的な計画を示すことが期待されています。
日本も加入している難民条約は、締約国に対し、迫害から逃れてきた難民を受け入れ庇護することを求めています。法務省入国管理局によると、2017年の日本における難民認定申請者数は前年から8,727人増加の19,628人で、過去最多でしたが、認定手続の結果、難民認定されたのはわずか20人でした。また、認定しなかったものの人道的な配慮で在留を許可したのが45人でした。
<出典>
http://www.unhcr.org/jp/20021-pr-180619.html
グローバル・トレンズ2017:強制移動は6800万人超、難民への世界的な取り組みの重要性高まる
(2018年6月19日 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)日本
http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri03_00600.html
平成29年における難民認定者数等について
(2018年3月23日 法務省入国管理局)
<参照>
https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section1/2018/02/-20182.html
「難民および移民に関する国連「グローバル・コンパクト」の原案まとまる (2018年1~2月)」
(ヒューライツ大阪ニュース・イン・ブリーフ)
https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section4/2018/02/201720.html
「2017年の日本の難民認定者20人にとどまる―法務省速報」
(ヒューライツ大阪ニュース・イン・ブリーフ)
(2018年06月21日 掲載)