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「人権教育世界プログラム」第4段階(2020-2024)決まる−人権理事会

 第39会期国連人権理事会が、2018910日から28日まで開催されましたが、91日に就任したミチェル・バチェレ人権高等弁務官の初めての人権理事会となりました。この会期では、人権教育のための世界プログラム、ミャンマーのロヒンギャおよび他の少数民族に対する人権侵害、ブルンジ、ベネズエラの人権状況などに関する決議や、発展の権利などに関する決議が採択されました。
 
「人権教育のための世界プログラム」第4段階(2020年~2024年)
 国連は、「人権教育のための国連10年」(1995年-2004年)に続く人権教育の取り組みとして、「人権教育のための世界プログラム」を開始することを2004年の総会で決議し、第1段階(2005年~2009年)、第2段階(2010年~2014年)、第3段階(2015年~2019年)と5年ごとに「段階(フェーズ)」を区切り、重点領域を据えて進めてきました。第1段階は初等・中等教育、第2段階は高等教育とあらゆるレベルにおける教員、教育者、公務員、法執行官、軍関係者の人権研修、第3段階は第1段階と第2段階の領域に加えて、メディア専門職とジャーナリストへの研修が重点領域。各段階で行動計画を策定し、中間報告および終了後の評価を行いながら、各国政府やNGOなどに呼びかけ人権教育・研修の取り組みが続けられています。
そうしたなか、人権高等弁務官事務所は、各国政府や国内人権機関、NGOなどに、第4段階の重点領域について提案を求めていましたが、そのとりまとめが第39会期の人権理事会に提出され、第4段階(2020年~2024年)の重点対象を「若者」として、特に平等、人権と非差別、包摂的で平和な社会のための包摂と多様性の尊重に力点を置くことを決議しました。
決議はさらに、第4段階を「持続可能な開発目標」(SDGs)の目標4.72030 年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化的多様性と文化の持続可能な開発への貢献を理解する教育を通して、すべての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする」と連携させることを盛り込んでいます。
また、これまでの3段階についても取り組みを強化するよう呼びかけています。決議は、人権高等弁務官事務所に対して、国連など国際機関、各国政府、国内人権機関や市民社会と協議し、第42会期に第4段階の行動計画を提出するよう求めています。
 
「発展の権利」に関する法的拘束力のある文書の起草
人権理事会はまた、発展の権利作業部会において、「発展の権利」に関する法的拘束力のある文書の起草を開始することを決めました。
198612月の国連総会において、「発展の権利宣言」が採択されて以降、1993年の世界人権会議で採択された「ウィーン宣言及び行動計画」をはじめこれまで数々の国連文書に「発展(開発)の権利」にかかわる課題が盛り込まれてきました。
人権理事会の今回の決議では、「発展の権利」の推進は、「持続可能な開発目標」を完全に実施するためにきわめて重要な役割を担うとしています。
(構成:岡田仁子、藤本伸樹)
 
<出典> いずれも国連人権高等弁務官事務所のサイト(英語)
https://www.ohchr.org/EN/NewsEvents/Pages/DisplayNews.aspx?NewsID=23663&LangID=E
Human Rights Council concludes thirty-ninth session after adopting 23 resolutions and a Presidential statement, OHCHR, 28 September 2018,
https://documents-dds-ny.un.org/doc/UNDOC/GEN/G18/194/42/PDF/G1819442.pdf?OpenElement
Views of States, national human rights institutions and other stakeholders on the target sectors, focus areas or thematic human rights issues for the fourth phase of the World Programme for Human Rights Education
https://www.ohchr.org/EN/Issues/Education/Training/Pages/Programme.aspx
World Programme for Human Rights Education (2005-ongoing)
 
<参考>
https://www.hurights.or.jp/archives/newsletter/sectiion3/2015/07/-1960-1019952004200551200520092201014-12-2011117.html
「人権教育のための世界プログラム」第3段階(2015-2019)に寄せて
阿久澤麻理子 『国際人権ひろば』 No.122(201507月発行号)
https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section3/2017/10/36-320179.html
国連人権理事会に、人権教育世界プログラム・第3段階の中間報告を提出(20179月)ヒューライツ大阪ニュース・イン・ブリーフ

(2018年10月24日 掲載)