外国人労働者の受入れ拡大を目的とした入管法改定案が11月27日夜に衆議院本会議で自民、公明両党と日本維新の会などの賛成多数で可決され、28日に参議院で審議が始まりました。与党は12月10日までの今国会の会期内に成立させる方針です。
改定案は、2019年4月からの受入れ拡大に向け在留資格「特定技能1号」と「同2号」を新たに設けるものです。
「1号」は、特定の分野で、相当程度の技能を持つと認められた外国人に与えられ、在留期間は最長で通算5年で、家族同伴を認めないとしています。「2号」は、「1号」よりも「熟練した技能」を持つと認められた外国人が対象で、在留期間に上限を設けず、長期滞在や家族同伴も可能だとしています。
法案は、新たな制度の運用を点検し、必要な措置をとるための見直しの時期を当初の「3年後」から「2年後」に短縮することなど一部修正されています。
受入れ分野として、農業や建設、介護など14業種があげられています。しかし、制度の詳細は法案には明記されておらず、法案成立後に省令で定めるとしています。
そうしたなか、群馬県太田市や静岡県浜松市など15の自治体からなる「外国人集住都市会議」は11月28日、日本語教育の体制構築、行政・生活情報および行政の窓口における多言語対応の整備など、生活者としての外国人に対する支援策の充実を求める意見書を法務省に提出しました。
「新たな外国人材の受入れに係る多文化共生推進について」という標題のこの意見書は、「外国人は労働者であるとともに、地域における生活者であるということが十分認識されない中で 、中長期的な共生施策を伴わない外国人材の受入れの拡大は、地域社会に大きな混乱を招くことを、私たちはこれまで経験してきている」と冒頭で指摘しています。
意見書ではまた、外国人児童・生徒の教育の充実のための具体的な政策の実施、労働環境の改善、社会保険の加入促進などを求めています。
<出典>
https://www.shujutoshi.jp/info/i1811.html
「新たな外国人材の受入れに係る多文化共生推進について(意見書)」を国へ提出しました。 (外国人集住都市会議)
<参照>
https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section4/2018/11/1116.html
法務省、技能実習生の失踪集計を改ざんか(11月16日)
https://www.hurights.or.jp/archives/newsinbrief-ja/section1/2018/11/1113.html
外国人労働者の受入れ拡大に向けた入管法改定案の審議始まる(11月13日)ヒューライツ大阪ニュース・イン・ブリーフ
(2018年11月29日 掲載)