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2018年日本のジェンダーギャップ指数は110位
2018年11月18日、世界経済フォーラムによる2018年版グローバル・ジェンダーギャップ報告書（Global Gender Gap Report 2018）が公表されました。この報告書は、世界経済フォーラム（WEF）が2006年以降、毎年各国の政治、経済、健康、教育の４分野における男女間の格差を指数にしてランキングで公表しているものです。各国のジェンダー平等に向けた進捗状況が上記の4分野において0（不平等）から1（平等）までの点数で評価されています。
2018年は149カ国が対象でしたが、日本は0.662点で110位でした。2017年の114位よりも順位が上がったものの、G7諸国の中では引き続き最下位でした。ランキングの上位10カ国はアイスランド、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ニカラグア、ルワンダ、ニュージーランド、フィリピン、アイルランド、ナミビアの順でした。2017年と大きく異なる点としては、13位だったナミビアが10位になり、サハラ以南のアフリカ諸国の中ではルワンダに続きトップ10に入ったことがあげられます。2017年に6位だったニカラグアは5位になり、2012年以来ラテンアメリカとカリブ諸国で最もジェンダー格差が小さい国として高い順位を維持しています。
2009年報告から1位を維持しているアイスランドは、2018年0.858点でした。しかし、ジェンダー格差解消には至っていません。経済分野の専門職の項目で満点の1点を獲得している一方で、男女の賃金格差の項目では1位にありながらも、得点は0.820点にとどまっています。さらに、政治分野でも1位ですが0.674点で、議会における女性の比率も38.1％（0.615）にとどまっています。また、経済分野の女性の管理職に占める割合は32.4％で68位（0.479点）です。
日本についての評価を分野別にみると、健康分野では2018年は41位（2017年１位）、教育分野65位（同74位）、経済分野117位（同114位）、そして政治分野では125位（同123位）でした。
日本の経済分野におけるジェンダー格差は縮小しているとしています。また、大学など高等教育への進学に関するジェンダー格差が過去数年にわたり改善されており、将来教育分野における格差の解消につながるだろうと予測しています。実際、点数は2017年と比べ、政治分野で0.078点から0.081点、経済分野で0.580点から0.595点とあがっています。
しかし、2018年は前年に比べ経済・政治の分野における順位は下がっており、経済分野は2014年の102位、政治分野は2016年の103位以来下がり続けています。
教育分野で順位を上げた日本ですが、世界経済フォーラムは報告の発表に先立ち、日本の大学の医学部入試において女性の受験生をめぐり行われた得点操作に関して、「大学側が異常なことであると認識していなかった」とウェブサイトでコメントしています。日本のジェンダー格差解消に向けた取り組みは、点数が上がっている一方で、他国の進展から後れを取っているということがうかがえます。
世界経済フォーラムは、世界全体の傾向として、ジェンダー格差解消へのペースが遅くなっていると報告しています。このままのペースでいくと、格差が埋まるのに108年かかると予測しています。これは2017年報告の予想よりもさらに8年延びています。報告書がはじめて公開された2006年から世界のジェンダー格差は3.6%縮小している一方で、2018年は前年比でわずか0.03％しか縮小していません。これは世界のジェンダー格差解消のペースが近年きわめて遅くなっているということを表しています。
（構成：堀口真由・ヒューライツ大阪インターン）
＜出典＞いずれもWorld Economic Forum（世界経済フォーラム）のサイトから。
The Global Gender Gap Report 2018
The Global Gender Gap Report 2017
What will it take for the world’s third-largest economy to empower women?
The 10 best countries to be a woman
＜参照＞
2015年ジェンダーギャップ指数、日本は104位から101位（11月19日）
ヒューライツ大阪ニュース・イン・ブリーフ
