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ビジネスと人権に関する国別行動計画(NAP)パブリックコメントの意見概要が公開

パブリックコメント意見概要

 2019年5月31日、日本政府(外務省総合外交政策局人権人道課)は、1月に募集していたパブリックコメント「ビジネスと人権に関する国別行動計画についての意見募集」の結果概要と「寄せられた主な意見」を公開しました。
 ビジネスと人権に関する国別行動計画の策定をめぐって日本政府は、2018年3月から8月まで「ビジネスと人権に関するベースラインスタディ意見交換会」を、日本経団連、連合、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン、日弁連、ビジネスと人権NAP市民社会プラットフォームなどの団体と政府各省庁の参加のもと10回にわたって開催し、その後、2018年12月27日に「ビジネスと人権に関するベースラインスタディ報告書―ビジネスと人権に関する国別行動計画策定に向けて」を公表、2019年1月にパブリックコメントを募集していました。
 パブリックコメントは、上記「ビジネスと人権に関するベースラインスタディ報告書」に基づき、「ビジネスと人権に関する国別行動計画に盛り込むべき優先分野・事項」について意見募集されたものです。37件の意見があったとされ、その内容は、「ビジネスと人権」全般、行動計画の策定プロセス、公共調達(政府調達)プロセスへの「ビジネと人権」の視点の組込み、開発協力(ODA)・開発金融、貿易協定等における人権配慮、国内外におけるサプライチェーン、中小企業、人権デュー・ディリジェンスを含む企業が社会的責任を推進するための取組・仕組の整備、救済へのアクセス、法の下の平等、プライバシーの確保/データセキュリティの確保、児童の権利の尊重、労働、消費者(消費者の権利、エシカル消費・製品安全)など15の分野・事項にわたると日本政府は説明しています。

第1回「作業部会」議事要旨

 一方、2019年4月24日にはビジネスと人権に関する国別行動計画の策定に向けた第1回「作業部会」が開催され、その「議事要旨」も公開されました。日本政府は、2019年1月中旬からウェブサイト上で、2019年度以降の策定プロセスについて、「ビジネスと人権に関する国別行動計画の策定に向けて有識者等から意見・提言を求める諮問委員会等」と「様々な関係者が集まり、意見交換を実施する作業部会」の設置を検討すること、及び、今後の予定として「2019年前半に優先分野を特定」「2019年後半に国別行動計画の原案作成」「2020年半ばに国別行動計画を公表」を目指して取り組むことを、「スケジュールは作業の状況により変更があり得ます」としながらアナウンスしていました。
 議事内容等の策定プロセスの公開は、国別行動計画の質を担保する上で極めて重要な意味を持っています。国連ビジネスと人権に関するワーキング・グループの「国別行動計画の指針」でも、策定プロセスの「包摂性と透明性」は「不可欠の基準」とされ、現在のプロセスである「優先分野の特定」についても、「優先順位及び国別行動計画に含めるべき具体的な活動について、関係するステークホルダーと協議することを勧告する。この協議のプロセスは、すべての関係するステークホルダーに開かれ、かつアクセス可能であるべきである」と具体的に指摘しています。

<参照>

<参考>

(2019年06月15日 掲載)