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国連「表現の自由に関する特別報告者」、日本への勧告11項目をフォローアップ報告
2019年6月24日から7月12日まで開かれた国連人権理事会において、「意見・表現の自由の促進と保護に関する特別報告者」のデビット・ケイさんが、2017年6月の人権理事会に提出していた日本訪問報告などに関するフォローアップ報告書を提出し、6月25日の会合で報告を行いました。今回の報告書作成にあたって日本政府に情報提供を要請していたところ、回答がなかったとしています。
報告書では、ケイ特別報告者が2年前に日本政府に勧告した11項目について、「未履行」が9、「一部履行」が1、「情報不足」が1、との評価を行っています。評価の概要は以下のとおりです。
①政府の干渉の根拠となる放送法4条の廃止、および放送メディアに関する独立規制機関の枠組の構築:未履行
②教材における歴史的出来事の解釈への介入をしないこと:未履行
③教科課程の作成過程の完全な透明化を保障すること、および教科用図書検定調査審議会を政府の影響から守ること:一部履行
④「真実・正義・賠償・再発防止保障の促進(真実の権利)」 特別報告者の訪日の招請:未履行
⑤選挙運動に対して不当な制限を課す公職選挙法の規定を廃止:未履行
⑥とりわけ沖縄における平和的集会と抗議の権利を保障するために、あらゆる努力をすること:未履行
⑦特定秘密保護法に照らして安全保障上の問題がなく公益に資する情報については、開示しても処罰されないという例外規定を設けること:未履行
⑧公益に資する情報の報道を促進する社会的・組織的規範の原則づくりに着手すること:評価するための十分な情報がない
⑨特定秘密保護法の実施が適切に行われるように、専門家による監視組織を設置すること:未履行
⑩広範に適用できる差別禁止法を制定:未履行
⑪将来的に通信傍受に関する法律を制定するに当たっては、独立した法機関の監視下で、極めて例外的な場合にしか、通信傍受は行わないと明記すること:未履行
<出典>
A/HRC/41/35/Add.2 :Follow-up on country visits ―Report of the Special Rapporteur on the promotion and protection of the right to freedom of opinion and expression (30 May 2019)
デビッド・ケイ「表現の自由」国連特別報告者 訪日報告書 (A/HRC/35/22/Add.1)
2017年 (外務省の仮訳)
<参照> いずれもヒューライツ大阪ニュース・イン・ブリーフ
ジェンダーに関する決議や報告など:国連人権理事会第41会期(6月24日-7月12日)のハイライト(2019年7月)
国連人権理事会が任命した特別報告者の見解と日本政府の姿勢(白石理)(2017年6月)
第35会期国連人権理事会(6月6日―23日)の概要:「表現の自由」特別報告者の報告、移住者および難民に関する「グローバル・コンパクト」の採択に向けて
(6月)