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日弁連、「個人通報制度の導入と国内人権機関の設置」などを求める3決議を採択(10月4日)
日本弁護士連合会(日弁連)は、10月3日と4日に徳島市で開いた第62回人権擁護大会で、「個人通報制度の導入と国内人権機関の設置」、「えん罪被害者の救済に向けた法改正」「捜査機関が取り調べを行う際の弁護士の立ち会いの実現」を求める決議案を採択しました。
「個人通報制度の導入と国内人権機関の設置」については、市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約)、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(社会権規約)、女性差別撤廃条約、子どもの権利条約、人種差別撤廃条約などについて、直ちに個人通報制度を定めた条約に付帯する選択議定書を批准すること、あるいは条約に定める個人通報の条項の受け入れを宣言することを求めています。
国際人権条約には、権利を侵害された人が国内で裁判などの救済手続きを尽くしても権利が回復されない場合、人権条約機関に救済の申立てができる「個人通報制度」が設けられています。しかし、日本が締結している国際人権条約のうち8条約に個人通報制度が設けられているにもかかわらず、日本はいずれも導入していません。
決議では、日本の裁判所は個人通報制度を受け入れていないことから、その判断が条約機関から批判されることがなく、法律よりも優位にあるはずの国際人権条約が、裁判において判断基準としてほとんど採用されていないという事態を指摘しています。
また、政府の統制下に置かれず、人権の促進と擁護のために機能する国家機関である国内人権機関を、1993年の国連総会で決議されたパリ原則に基づき早急に設置することを求めています。
侵害された人権の回復を求めていくことができる、政府から独立した国内人権機関が120カ国以上で設置されているにもかかわらず、日本にはまだ設置されていません。
<出典>
「個人通報制度の導入と国内人権機関の設置を求める決議」
「えん罪被害者を一刻も早く救済するために再審法の速やかな改正を求める決議」
「弁護人の援助を受ける権利の確立を求める宣言-取調べへの立会いが刑事司法を変える」
<参考>
国家機関(国内人権機関)の地位に関する原則(パリ原則)
国連が中心となって作成した人権関係諸条約一覧(2019年10月1日現在)