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フィリピン海外雇用庁、「日本での資格外活動には厳罰」と注意喚起(10月)
フィリピン海外雇用庁(POEA)はこのほど、日本で就労するフィリピン人労働者が、違法な斡旋業者の仲介を受けるなどして当初の契約とは異なる仕事に従事させられている実態をあげ、注意を促す文書を発表しました。以下、訳文です。
フィリピン海外雇用庁(POEA)は10月29日付で、フィリピン人労働者に対し、日本の法律が定めるビザ、すなわち在留資格の適切な利用に反した場合、違反を行った外国人に厳罰が科される可能性があるとの警告を発した。
同庁のバーナード・P・オラリア長官によると、在留資格に反する活動を行った場合、違反の重大性に応じて収容や強制送還だけでなく、懲役および日本への再入国禁止を含む厳罰に処される可能性がある。その結果、日本で雇用機会を得る権利を奪われる恐れがある。
オラリア長官は、フィリピン海外労働事務所(POLO)東京支局より、フィリピン人が日本の「出入国管理及び難民認定法」に反し、資格外活動に関与しているとの報告を複数受けていると述べた。資格外活動とは、外国人が自分の在留資格のカテゴリーの下で許可されている範囲を逸脱した仕事および活動に従事することである。
フィリピン海外労働事務所のマリー・ローズ・C・エスカラーダ労働担当官によれば、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得した技術者の中には、実際は単純労働や工場労働、機械操作や調理補助職に従事させられている場合もあると語る。加えて、教師やインストラクターとして来日した者がベビーシッターあるいは雇用者の家事労働に就いていたとの報告もある。別のケースでは、通訳者として在留資格のあるフィリピン人が障がい者や高齢者向け施設で介護労働者として働いていたことも分かっている。また、来日後就労先企業の商品販売を担当する予定だった海外向け営業職の人が、実際にはホテルの清掃員や調理補助職に就いたり、国家戦略特区での外国人家事支援人材プログラムの一環として雇用された家事労働者や、海外で活躍するアーティストらが来日後、クラブやホステスのアルバイトをしていたケースもある。
オラリア長官はフィリピン人に対し、日本での就労を希望する場合には、国が認可した人材斡旋会社から紹介を受けるよう注意を促すとともに、「自分の身を護るために、海外での仕事に応募する際は、出国前に適切な労働許可証、ビザ、および雇用契約書についてフィリピン海外労働事務所から承認を受け、海外雇用庁で手続きを行う必要がある」と述べた。加えて、違法な人材斡旋業者に十分注意し、もし疑いがある場合は海外雇用庁の違法斡旋業者の取締担当部署へ報告するよう呼びかけている。
翻訳:地福春香(ヒューライツ大阪インターン)
<出典>
Visa violators face severe penalties in Japan (Philippine Overseas Employment Administration)October 29, 2019